北朝鮮メディアは金正恩総書記の前に核弾頭のような物体が置かれている写真を公開しました。3月24日には核無人水中攻撃艇の実験を伝えています。北朝鮮が核兵器の存在をアピールする背景にあるとみられるのが米韓の動きです。今後、焦点となるのが7回目の核実験に踏み切るかどうかですが、北朝鮮事情に詳しい専門家は「踏み切れない」とみています。

北朝鮮が連日“核兵器”アピール その背景には…

朝鮮中央テレビ 女性アナウンサー(3月28日放送)
「敬愛なる金正恩同志が核兵器事業を指導された」

金正恩総書記が「核の兵器化活動」を指導したとして公開された写真には、先端が赤く塗られた「核弾頭」のような物体が写っています。同じような物体がずらりと並ぶ写真も。金総書記の後ろのパネルには「ファサン31」という兵器名とみられる記載があります。「ファサン」は「火山」を意味します。

北朝鮮メディアは2023年3月28日、先週に引き続き “超強力な放射能の津波を起こす”という核無人水中攻撃艇「ヘイル」の実験を伝えています。

韓国の聯合(れんごう)ニュースは「戦術核弾頭が電撃公開された」と報じました。公開された写真のパネルに描かれた兵器の1つを「ヘイル」と指摘しています。



朝鮮中央テレビ 女性アナウンサー
「(金総書記は)想像を超える強力で優勢な核兵器による攻撃態勢を整えてこそ、敵が我々を恐れて手出しできなくなると言われた」

北朝鮮が核兵器の存在をアピールする背景にあるとみられるのが、アメリカと韓国の動きです。

3月28日、アメリカ軍の原子力空母「ニミッツ」をはじめとする空母打撃群が釜山に入港。さらに現在、米韓合同で大規模な上陸訓練が行われています。この動きに北朝鮮は神経を尖らせているのです。

朝鮮中央テレビ 女性アナウンサー(3月28日放送)
「上陸訓練は平壌占領を狙ったもので、原子力空母打撃群まで投入したのは我が共和国に対する露骨な宣戦布告に他ならない」