女性に性的暴行を加え、けがをさせた罪に問われ、一審で無罪判決を受けた男性の控訴審が、23日に名古屋高裁金沢支部で開かれました。

2020年11月、富山市のホテルで当時25歳だった男性が知人女性に暴行を加えたうえ性交。さらにけがをさせたとする事件で、一審の富山地裁は「被害女性の供述は信用できず、被害事実を認定するには合理的な疑いが残る」などとして、無罪判決を言い渡し、その後、検察側が控訴していました。

控訴審の初公判で、検察側は「一審判決は性被害者特有の心理に対する無理解と供述の信用性を判断するうえでの証拠や客観的事実の評価を誤った」と主張。「一審判決には重大な事実誤認があり破棄は免れない」としました。

一方の弁護側は、控訴の棄却を求めました。一審の無罪判決を抗議していた市民団体は…。
「性暴力のない社会」をめざす会・小林涼子代表:
「富山地裁で私たちにとっては大変不当な判決が出たと思っておりますので、性暴力被害者の心理というものを正しく理解して判決に結び付けてほしい」

次回は5月23日に被告人質問が行われ、即日、結審する見通しです。