今週月曜日から、マスクを着用するかどうかについては個人の判断に委ねられることになりました。こうした中、信頼度の高い研究組織から「マスクには効果なし」といった論文が出され、議論を呼んでいます。
今年1月、「マスクの効果は、着けなかった場合とほとんど差がない可能性がある」とする論文が出されました。この論文は『コクラン』という専門家からも高く評価されている国際組織から出されたため、『マスクに効果なし』というメッセージは、物議を醸しました。
国内でも、インターネットの記事やSNSに「マスクをする意味はない!」などとセンセーショナルに取り上げられました。
上村彩子キャスター
「このコクランのレビューは、どういう風に私たちは読み解けばいいのでしょうか?」
大阪大学医学部 忽那賢志教授(感染制御学)
「コロナになって、なぜこんなに皆がマスクをつけているのかというと、症状がない人が周りに感染を拡げてしまうことがある。インフルエンザと大きな違い」
ところが、今回の論文に使われたデータは、コロナ以前のマスクの研究が多かったことに加えて…
大阪大学医学部 忽那賢志教授(感染制御学)
「コロナ時代におけるいわゆるユニバーサルマスキング、症状のない人も含めてマスクをつけるということの有効性を検証したものではない」
いくつもの論文から、マスクには周囲に感染を拡げないという一定の効果があるとされています。
大阪大学医学部 忽那賢志教授(感染制御学)
「マスクをつけることによって自分が感染しなくなるというよりは、自分の飛沫を周りに飛ばさないようにする意味合いが大きい」
そのため、マスクをつけた人から周囲への感染をどのくらい抑えられるかを評価すべきところ…
大阪大学医学部 忽那賢志教授(感染制御学)
「この『コクランレビュー』は、マスクをつけた人が感染しにくくなるかを評価」
このように、マスクの有効性を評価する方法が違うのではと忽那教授は指摘しています。
論文発表から1か月半程経った先週、コクランは「マスクには効果がない」という解釈は「誤解を招く」とするコメントを発表しました。
上村彩子キャスター
「(スパコンの)富岳の(シミュレーション)データなどを見ると、マスクはやっぱり意味あるという研究も多い」
大阪大学医学部 忽那賢志教授(感染制御学)
「ユニバーサルマスキングの有効性については多くの論文が出ている。今回の『コクランレビュー』の結果にあまり引っ張られずに、必要な場面ではマスクをつけることで感染が拡がりにくくなることは、科学的にもある程度裏付けられている」
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