7月豪雨からおよそ2年半。
熊本県人吉市の醤油蔵が復興に向けての大きな一歩を踏み出しました。

人吉市鍛冶屋町(かじやまち)にある釜田(かまだ)醸造所。創業90年を超える老舗ですが、3年前の7月豪雨で大きな被害を受けました。
市川佳奈子 記者「豪雨災害から再スタートを切ったこの場所で、2年半ぶりに醤油の初仕込みが始まります」

今回の作業では、大豆や小麦で作った麹(こうじ)を塩水で発酵・熟成させ、醤油の素となる「もろみ」を作ります。醤油づくりの最初のベースとなる工程です。
釜田醸造所 久保田弘人 工場長「正直、こういう作業ができるとは一時期考えられなかったので」

人吉・球磨地域を襲った3年前の豪雨。工場の中も1メートル近くの浸水被害を受けました。
醤油をつくる機械は全滅し醤油づくりが全くできなくなりました。
また、商品もほとんどが被害を受け廃棄せざるを得ず、被害額は3000万円にも及びました。

釜田醸造所(3代目)釜田顕 社長「大変な被害で心も折れかけたんですけども、弊社がなくなってはいけないと、地域のためにまた復活しないといけないと」
あれから2年8か月。復興に向けて社長の釜田さんが目指したのが「被災前よりもおいしい醤油」被害を逃れ、工場にわずかに残っていた「奇跡の麹菌(こうじきん)」をもとに、県の産業技術センターと研究を重ね改良。

そして、クラウドファインディングなどで資金を調達して設備を新しくし、醤油づくりの再開にこぎつけました。
この日、仕込んだ「もろみ」を半年以上熟成し、絞ると醤油ができあがります。

釜田顕 社長「郷土の自慢の醤油と言われるような醤油にしたいと思っています」
完成した醤油は、ふるさとの味の復活を支えてくれたクラウドファンディングの支援者に贈られるということです。














