金融システムが不安定になるのでは、との警戒感は欧米だけにとどまりません。

きょうの東京株式市場では、取引開始直後から売り注文がふくらみ、日経平均株価は前日の終値に比べて一時600円近く下落しました。

シリコンバレーバンクなど相次ぐアメリカの銀行の破綻にとどまらず、スイスの金融大手にも経営不安が広がったことで、東京市場でも銀行や保険など金融関連の銘柄が中心に売られ、全面安となりました。

その後、クレディ・スイスがスイスの中央銀行から最大で日本円で7兆1000億円を調達すると発表し、日経平均株価の下げ幅は縮まったものの、今後の見通しはまだ不透明だと専門家は指摘します。

ニッセイ基礎研究所 井出真吾 チーフ株式ストラテジスト
「クレディ・スイスがどのぐらい経営が傷んでいるか実態がまだ把握できないので、7兆円で足りるのか足りないのか、正直評価しようがない。この金融システム不安がクレディ・スイスで最後になるか当面の注目」

さらに日本時間の今夜にはECB=欧州中央銀行の理事会も控えていて、金融不安に対する認識や利上げの方針も今後の焦点となりそうです。