愛知県蒲郡市でミカン農家の女性が殺害された事件から7年。遺族は、ことし初めて街頭で情報提供を呼び掛けました。事件解決への思いは強くなるばかりです。

事件から7年が経った今も、思い出すのは優しかった母親の姿です。
(被害者の長男 杉浦司さん)
「人のためになることを一生懸命するような、人のためになるのが嬉しいみたいな人柄でした」

2016年3月10日、蒲郡市神ノ郷町の住宅で杉浦加津代さん(当時73)が殺害された事件。
(被害者の長男 杉浦司さん)
「こちらに母が、あおむけに倒れて血も流れている感じでした。首にコードが巻かれていて、これは普通じゃないと、その時思った」

第一発見者は長男の司さん。自宅の1階で倒れていた母親の顔には、ビニール袋が被せられ首には電気コードが巻かれていました。警察が殺人事件として捜査を続けていますが犯人逮捕には至っていません。

50年以上、農家として働いてきた加津代さん。収穫したミカンなどを近所に分けて回るなど気配りの人でした。
(司さんの妻 杉浦多香子さん)
「(母は)懐が深いというか男勝りな部分もあり。人間愛にあふれた人という感じでした」

そんな加津代さんが、なぜ…。突然の別れを、今も受け入れることはできません。
(被害者の長男 杉浦司さん)
「(事件当時)辛い苦しい思いをしたと思う。(母に対して)本当に申し訳ない気持ちがあります。(天国に)普通に送ってあげたかった」
(司さんの妻 杉浦多香子さん)
「(母に)ごめんなさいという気持ちです。きっと寂しい思いをしてたと思うし、怖い思いもしてたのに…」
その一方で、事件解決を望む気持ちは強くなるばかりです。
(被害者の長男 杉浦司さん)
「私たちが参加することで警察・検察の方によりアピールして、(事件解決に向け)参加できることがあれば参加してみようと思った」


先週金曜日(3月10日)、司さん夫婦は事件から7年が経ったこの日、初めて警察とともに蒲郡駅前で情報提供を呼び掛けました。

(被害者の長男 杉浦司さん)
「私たち被害者遺族は氏名も年齢・職業も公にするのに。犯人は普通の生活をしていて、すごく理不尽さを感じる。本当に罪を償っていただきたい」

この事件では、これまでに630件以上の情報が寄せられていて、今も「0120ー110-463」で受け付けています。