スリランカ大統領は7日、最大債権国である中国から債務再編の同意を得たとし、IMF=国際通貨基金による金融支援プログラムの今月中の一部履行に期待を示しました。

ウィクラマシンハ大統領
「私たちは自らの役割を果たしました。あとはIMFが自身の役割を果たすだけです」

スリランカのウィクラマシンハ大統領はこう述べ、去年9月にIMFと暫定合意していた29億ドル(約4000億円)規模の融資の一部が今月中にも履行されることに強い期待を示しました。

融資の実現には、債権国による債務再編への合意が必要で、主要な債権国であるインドや、日本などで構成されるパリクラブ=主要債権国会議はすでに同意していましたが、今回は唯一同意が得られていなかった最大債権国・中国からの同意を取り付けたものです。

IMFのゲオルギエバ専務理事も「歓迎する」とし、今月20日の理事会で検討すると明らかにしました。

スリランカでは、中国などからの多額のインフラ整備資金借り入れに対外債務が膨らむ中、新型コロナウイルスの世界的大流行で主要産業である観光業が大きな打撃を被ったことなどから、経済危機が深刻化。反政府デモが激化したことから、当時のラジャパクサ大統領は国外に逃れ、辞任しました。

これについて中国外務省は、「中国は関係金融機関がスリランカ側と債務処理案を積極的に協議することを支持する」と述べたうえで、「債務の負担を軽減するため、積極的な役割を果たす」としています。