広島県海田町で去年、70代の男性が監禁され、広島県警が先月、男女7人を逮捕した「遺体なき強盗致死事件」で、広島地検は6日、2人を強盗致死の罪で、残りの5人を強盗の罪で起訴しました。

強盗致死の罪で起訴されたのは、住所不定の古物商・今泉俊太 被告(32)と広島市南区の無職・門美帆子 被告(44)です。

住所不定の無職・伊藤圭亮 被告(28)と残りの女4人は、強盗の罪で起訴されました。

起訴状によりますと、今泉被告と門被告は、去年6月1日、海田町の事務所で、竹内義博さん(当時71)に対し、門被告が「1000万円は返してよ」「金庫あるでしょ」などと言い、今泉被告が「ここで死ぬか返すかはっきり決めろ」「あばら全部折ってくからな」「仮病使ってっと、もう1回あばら折るぞ」などと言って脅迫するとともに、今泉被告が竹内さんの体を多数回殴る蹴るなどの暴行を加えたとされます。また、ほかの5人と共謀し、室内を物色して、現金11万円を奪い、その際、それまでの一連の暴行で竹内さんに出血を伴うけがをさせ、外傷性ショックで死なせたとされています。

広島地検は、7人の認否を明らかにしていません。

この事件を巡っては、7人全員が監禁罪で起訴され、うち4人は死体遺棄罪で起訴されていますが、これまでの一連の裁判では、県内の女5人が竹内さんと金銭トラブルになり、「債権回収屋」として、今泉被告と伊藤被告に協力を依頼…。7人で男性を監禁したあと、この男2人が車で竹内さんを連れ去ったという流れが明らかにされていました。

先月、広島県警が強盗致死の疑いで7人をあらためて逮捕した際には、竹内さんの遺体が見つかっていないことを明らかにし、「遺体なき強盗致死事件」であるという認識を示しています。