IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長がイランを訪問し、核開発をめぐり原子力庁のトップらと会談しました。イラン側が撤去した核施設を監視するカメラを再び作動させることなどで合意したということです。

IAEAのグロッシ事務局長は3日から、イランの首都テヘランを訪問していて、ライシ大統領のほか、エスラミ原子力庁長官らと会談しました。

会談後、イランとIAEAは共同声明を発表。声明では、イランはIAEAの監視活動に自発的に協力するなどとしています。

4日、オーストリアに戻ったグロッシ事務局長は、去年6月以降撤去されていた核施設を監視するカメラを再び作動させることなどで、イラン側と合意したと明らかにしました。

IAEA グロッシ事務局長
「ご存じの通り、ここ数か月間は核施設の監視活動の一部が縮小していた。今回それらを再開することで合意した」

グロッシ氏は合意について「言葉だけでなく、極めて具体的なものだ」とし、成果を強調していますが、現時点ではどの核施設でどの機器を再び作動させるかなどは明らかにしていません。

また、IAEAは先月、報告書でイラン中部フォルドゥの核施設で、核兵器転用可能な90%に近い濃縮度83.7%の高濃縮ウランの粒子が検知されたと指摘していて、グロッシ氏はこれについても協議したとみられていますが、共同声明ではこの問題について言及はありませんでした。