宮城県内産の養殖ギンザケが、3日朝、石巻魚市場に今年初めて入荷しました。海水温が高い今年は成長が順調で、例年より10日ほど早い入荷となりました。

石巻魚市場に初入荷したのは、石巻市鮎川浜で生産されたギンザケおよそ7トンです。今シーズンは水温が高いためにギンザケの成長が早く、例年より一回り大きい1.2キロから1.5キロのサイズが主体です。

去年は、ロシアによるウクライナ侵攻で輸入サーモンの供給が一時不安定となり、国内産の養殖ギンザケの需要が高まりました。石巻魚市場での取扱額は、およそ48億円となり、初めてサバを抜いてトップに躍り出ました。安定生産が見込まれる今年も、主力の魚種として期待を集めています。

丸富水産(石巻市)渡辺祐輔社長:
「輸入の数量がいくらか不安定になっているので、宮城のギンザケをあてにしている部分が多い。昔と違ってくさみもなくエサが良くなっているので安心し食べてもらっていいと思う」

初入札は、1キロ当たりの最高値が1200円となり、去年を100円上回る上々のスタートとなりました。養殖ギンザケの入荷は、7月中旬まで続く見通しです。

去年までの15年間の県内の養殖ギンザケの水揚げ量と販売額をまとめました。

県によりますと2010年まで養殖ギンザケは安定した水揚げがあったものの、2011年の初水揚げ直前に発生した東日本大震災で、養殖用いけすなどに大きな被害を受け、この年の水揚げ量はゼロになりました。

その後、少しずつ生産量が回復し、去年は1万7000トンを超え、販売額も124億円余りとなりました。

ロシアによるウクライナ侵攻で輸入サーモンの供給が不安定になったことで1キロあたりの平均価格もこの15年で最も高くなりました。今年はおよそ30年ぶりとなる2万トンの水揚げが期待できるということです。