ロシアのウクライナ侵攻から1年が経過した一方、ミャンマーではクーデターで実権を握った軍による弾圧が2年以上も続いています。ことし1月に家を燃やされ、友人を亡くしたというミャンマー人が富山にいます。母国への思いを取材しました。
2021年2月1日、ミャンマーで起きた軍事クーデターで国家の全権を掌握した軍が、民主化を訴えて抵抗する国民に銃を向けました。
「政治犯支援協会AAPP」の調べによりますと、これまでに軍などによって3000以上が殺害され、1万9000人以上が拘束されたといわれています。

富山県高岡市の介護施設「和の郷高岡」。
ミャンマー人スタッフ:「おはようございます」

施設には、去年5月。2人のミャンマー人がやってきました。ミョーミンさん(当時29)とヤンさん(当時31)です。


「足を乗せますね。寝心地はいいですか?良かったね」
2人はクーデターの影響で国内で働く場所が少なくなり、家族を養うため最長5年滞在できる在留資格「特定技能」の制度を利用し、日本の介護分野で働くことを決意しました。

ミョーミンさん:
「(ミャンマーに残してきた家族は)本当は心配です。心配ですけど、家族の生活のために必要だと思って、私は外国(日本)にいかなければいけないと思って」
あれから9か月。施設には新しいミャンマー人の男性の姿がありました。ことしから働き始めたチョーさん(31)です。

チョーさんは、2017年から2020年まで技能実習生として日本に滞在。帰国後、日系企業に勤めましたがクーデターが勃発。勤めていた日系企業が撤退し、職を失いました。家族を養うため、再び日本にやってきたのです。

ミョーミンさん:「きれいになったか?もう終わりますね」
記者:「仕事はどうですか?」
チョーさん:「楽しいね。私はおじいさん、おばあさんをいつも助けてあげたい」