1998年、大分市の郊外にある松岡郵便局で局長が殺害され、通帳が入ったカバンが奪われた強盗殺人事件は未解決のまま、発生から2日で25年が経ちました。警察はこれまで延べ8万人を超える捜査員を投入していますが、容疑者に結びつく有力な手掛かりは得られていません。節目となる2日は事件現場周辺で警察がチラシを配り、新たな情報提供を呼びかけました。

強盗殺人事件は1998年3月2日、大分市松岡の特定郵便局、松岡郵便局でおきたもので、局長の大津豊記さん(当時57)が、胸などを鋭利な刃物で刺されて殺害され、家族の通帳などが入った手提げかばんが奪われたものです。犯行時間は午後10時前と見られていますが、遺体発見がおよそ4時間半後で、初動捜査の遅れがその後の捜査に大きく影響しました。

事件現場に残された足跡が25センチ前後のスニーカーだったことから、警察は容疑者は単独犯で、上背があまりなく、金品を狙った物取りの犯行という見方をしています。

また、事件の後、郵便局の西側の路上で被害者の血痕が発見されていて、警察は容疑者が通行量の多い県道を避けるようにして、郵便局裏の駐車スペースから逃走したものと見ています。

144点の押収品をDNA鑑定するも…

警察は現場に残された144点の押収品をDNA鑑定しましたが、容疑者に結びつく手がかりとなる証拠は検出されなかったことを明らかにしています。

また、これまで延べ8万6000人の捜査員を投入し、7000件近くの情報が寄せられていますが、容疑者に結びつく有力な手掛かりは得られていません。

大分東警察署には今も捜査本部がおかれていて、未解決のまま事件の風化が懸念される中、発生から25年目を迎えた2日、警察は現場周辺など大分市内4か所でドライバーや歩行者、また、各家庭にチラシ3000枚を配り、新たな情報提供を呼びかけました。