様々な副作用が指摘される異次元の金融緩和はどのようになっていくのか。総裁候補・植田和男氏は国会で現在の金融緩和について「適切だ」と話す一方、「出口戦略」に言及する場面もありました。
次期日銀総裁候補 植田和男氏
「植田でございます。現在、日本銀行が行っている金融政策は適切であると考えております。しっかりと経済を支え、企業が賃上げをできる環境を整えることが重要」
日本銀行の総裁候補、植田氏はこのように述べて、現在の黒田路線の金融緩和を続ける考えを示しました。
この発言を受けてマーケットは…
黒田路線の金融緩和が当面続くという受け止めから、日経平均株価は一時350円以上値上がり。外国為替市場でも円相場は1ドル=135円近くまで円安方向に動きました。
一方、もう一つ注目されたのは、黒田総裁が明言してこなかった出口についての発言です。現在の黒田緩和は、日銀が国債の半数以上を買い占めるなど様々な『副作用』が指摘されていて、植田氏が総裁になった場合には、「どのように出口に向かっていくか」がカギとなっているためです。
次期日銀総裁候補 植田和男氏
「さまざまな副作用を生じていますが。(2%の物価上昇の目標が)見通せると見込まれる場合には、金融政策の正常化に向かって 踏み出すことができる」
『2%の目標達成にはまだ時間がかかる』としながらも、異次元緩和からの「出口」にも言及しました。
今回の聴取、専門家はどう見たか。
東海東京証券 佐野一彦 チーフ債券ストラテジスト
「極めて安全運転だった、一言で言うとそういう評価。出口をある程度示す市場との対話という意味での重要性を認識している」
黒田路線の副作用が膨らむ中、マーケットが混乱しない形でどのタイミングでどのように正常化を進めるのか、次の総裁はとてつもなく大きな課題に直面することになります。
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