今年で創設20年を迎えたFC琉球。2003年、県リーグ3部からスタートした琉球は、その後九州リーグ、JFL、J3、J2と着実にステップアップし、一昨年の2021シーズンは、年間順位こそ9位だったものの、シーズン前半は首位争いを演じ、沖縄に「J1」の空気を感じさせました。

しかし「悲願のJ1昇格」を目指し迎えた去年。チームの歯車が噛み合わず、終わってみればJ2 で21位と、クラブ史上初の降格を経験。今季琉球にとって5年ぶりにJ3での戦いが幕を開けます。

Qチーム状態について
FC琉球 野田隆之介キャプテン「すごく良いと思います。練習試合はJ1の強いチームばかりだったので結果は残せていないが、僕たちのやりたいサッカーは日々の練習からの積み重ねで本当に良い感じで仕上がっている」
FC琉球 富所悠選手「前に優勝した時(2018年)は上のリーグで経験していた選手も少なかったし、その頃に比べたらだいぶ経験者がいたり、力のある選手がしっかり残れたと思う」

中でも存在感を示しているのが外国人選手たち。去年、ブラジルから単身沖縄にやってきたケルヴィンも強力な助っ人の1人です。

FC琉球 ケルヴィン選手「多くの人の期待を背負い『勝ちたい』という気持ちでいっぱいだ。今年はとにかく走る。それが私のプレースタイルなんだ」
Q.好きな日本語は?
「おはよう、みなさんこんにちは、よろしくお願いします。」

去年6月、琉球に加入したケルヴィンは、過去ポルトガルの強豪ポルトや、ブラジル・サンパウロでプレーし、世代別ブラジル代表メンバーとして戦った経歴もあります。

昨シーズンの成績は1ゴール1アシスト。去年はブラジルとの文化の違いに戸惑いましたが、少しずつ沖縄に馴染んできました。

Q.沖縄の好きなところは?
「アラハビーチ!アラハビーチにはブラジル人が多いよ」

普段は、通訳を兼任するFC琉球のドゥダコーチと一緒に行動します。この日は、行きつけのブラジル料理屋で腹ごしらえです。

ケルヴィン選手「ブラジルでは米と豆を一緒に食べるんだ。日本には米はあっても豆をかける文化はないから、ここに来て豆と米を一緒に食べるとブラジルのことを思い出すよ」

ポルトガル語での会話はリラックスタイム。最近は、日本の普通自動車免許の取得に奮闘中だそうで…。

ブラジルレストラン 比嘉サオリさん「道路も反対だし車も反対なので、そこからして難しいかなって。運転自体は大丈夫だったんですよね。それで本人はめちゃくちゃ悔しくて。安全すぎちゃって不合格になっちゃったんですよ。もうちょっとスピード出してほしかったって(笑)」

ケルヴィン選手「娘が一人いるから、連れて来たい思いはある。いま娘は2歳10ヶ月で、日本に来るとなるとブラジルから離れるので不安。シーズンの真ん中くらいで日本に来るかどうかを決めることになるかもしれない」

並々ならぬ覚悟で今年を迎えたというケルヴィン。入団して1年も経っていませんが、既にチームからの厚い信頼を感じます。

野田キャプテン「上手いですね。キープもできてドリブルもできてシュートも上手いし、ボールを運べるしパスも出せるし、陽気ですしね喋ったら」
倉貫監督「技術的に非常に高いというのはあるのと、非常に日本に順応しようという意欲の高い選手という印象」

ケルヴィン選手「まずはJ3優勝。個人的には20得点取れたら良いな!」

Q.沖縄の皆さんにはなんて呼んでほしい?
『ケルヴィン』で!」

ピッチ内外で沖縄を魅了するシーズンへ。温和なブラジル人アタッカーが、琉球をあるべきカテゴリーへ連れて行きます。