広島市教育委員会が平和教育の教材の中で漫画『はだしのゲン』を使用しないと決めたことについて、松野官房長官は「一般論としては、地域の教育委員会や校長が決めるもの」としました。

原爆が投下された当時の広島を舞台に描かれた漫画『はだしのゲン』は、これまで長年、広島市独自の平和教育プログラムの教材に使われてきました。

しかし、新たな教材を検討する課程で、「漫画のため被爆の実相に迫りにくい」などといった指摘が出たとして、広島市教育委員会は来年度から『はだしのゲン』を使わないことを決めています。

松野官房長官
「一般論として申し上げれば、こうした補助教材や学校図書については地域や学校、児童・生徒の実態等に応じて、教育委員会や校長がその責任のもと教育的見地から見て、有益・適切なものとしてその内容等を決めるものと考えています」

松野官房長官は17日午後の会見で、広島市教育委員会の決定について明確な見解は示しませんでしたが、自身も子どものころに『はだしのゲン』を読んだ記憶があるとして、「当時の理解力でどこまで本質的なことを理解したか分からないが、戦争の悲惨さというのは子どもながらに感じた」と述べました。