小規模な醸造所がつくる、多様で香りや味わいが個性的な『クラフトビール』。沖縄でも醸造所(ブルワリー)が個性を競っています。
各ブルワリーが日々研究を重ねる中、今年2月に横浜市で開催された『ジャパン・グレートビア・アワーズ2023』において、県内の醸造所がIPA(インディア・ペールエール)で金賞、スタウトで銀賞を受賞しました。

その醸造所は“KANEHIDE CRAFT BREWERY(カネヒデ クラフト ブルワリー)”です。
このブルワリーは建設業やスーパー、観光リゾートなどを手掛ける金秀ホールディングスの新規事業で、ビール造り未経験者の7人のスタッフが、通常業務と兼務しながら研究を重ねてきました。
新事業が始まったのは去年3月。なんとビール造りから1年未満で賞を受賞しました。この快挙にスタッフたちも驚きを隠せない様子です。
金秀HD経営企画本部 與座隆徳さん「今まで素人の状態からビールを作ってきて自信が持てない部分もあったが、今回の受賞を受けて自信を持ってお客様に提供できる。1年未満だが取れたのは驚いている」

金賞を受賞したIPAは、4種類のホップを多量に使用することで、香りと苦みを引き立つ味わいが特徴。
スタウトはローストした麦芽を使用し、3種類のモルトを配合。180度で焙煎したことで、コクとうまみ、深い味わいが出ているといいます。
今後はビールに使う副原料に県産食材などを利用し、沖縄らしさも含ませながら、特徴のあるビールを目指していきたいとしています。

またビールの生産量は年間1万2000リットルと少なく、現在は那覇市旭町のブルワリー以外では、金秀が運営するホテルやゴルフ場のほか、高級ホテルの一部などでしか購入できません。
金秀HDはこのビール事業を収支の柱の1つとするのではなく、企業ブランド価値を高める商品へと成長させたいと意気込みます。
KANEHIDE CRAFT BREWERYでは今回受賞したIPAとスタウトのほか、令和4年度に優良県産品に選出されたイギリス発祥のペールエール、フルーティーな香りとクリーミーな泡が特徴なヴァイツェン、飲みやすく癖のないすっきりとしたピルスナーの5種類を楽しむことができます。
品評会で審査員をうならせた、自慢のクラフトビールを飲みに足を運んでみてはいかがでしょうか。
KANEHIDE CRAFT BREWERY(カネヒデ クラフト ブルワリー)
場所:沖縄県那覇市旭町112−1金秀ビル西館1階
営業時間:平日16:00~20:30(L.O 20:00)
定休日:土日祝