政府は、日銀の黒田総裁の後任に経済学者の植田和男氏をあてる人事案を国会に提示しました。
10年にわたったアベノミクス路線を継承するのか、転換するのか、そのカギを握る人物として岸田総理が選んだのが植田氏でした。
先ほど、衆議院と参議院で議院運営委員会の理事会が開かれ、官房副長官から日銀総裁などの人事案が提示されました。黒田総裁の後任には経済学者の植田和男氏を、副総裁には日銀理事の内田眞一氏と前の金融庁長官の氷見野良三氏をあてるとしています。
植田氏は1998年から7年、日銀の審議委員を務め、「ゼロ金利政策」や「量的緩和政策」の導入を理論面で支えました。
元日銀審議委員 植田和男氏
「きょうは、なしということでお願いします。(人事案が)提示されて進み出せば、国会できちんといろんな質問にお答えしますので」
先週、「現在の日銀の政策は適切」と述べていた植田氏ですが、けさは記者団に対し、多くを語りませんでした。
Q.なぜ、植田氏をあてる人事になったのでしょうか?
自民党内や市場でもアベノミクス路線の是非が議論となるなかで、状況に応じて対応できる“バランス感覚”が決め手となりました。
ある政権幹部は、植田氏について「これというのではなく、柔軟な考えを持っている。その方が良い」と評しています。また、岸田総理は、日銀や財務省の出身であるかどうかにはこだわらないと周囲に漏らしていて、それが戦後初の学者総裁の提示へとつながりました。
さらに、副総裁に日銀の理事として金融緩和を設計してきた内田氏と国際人脈が豊富な氷見野氏を据えたことで、チーム力を重視したともいえそうです。
今回の人事はサプライズではありましたが、植田氏は先週、「現状では金融緩和の継続が必要である」との考えを示していて、市場の大きな混乱や黒田路線の継続を求める自民党・安倍派などの議員からの反発は今のところありません。
ただし、市場では結局日銀はどこに向かうのか様子を見極めたいムードもあり、まずは今後行われる候補者の所信聴取で何が語られるのかが焦点となります。
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