天皇皇后両陛下が来日中のフィリピンのマルコス大統領夫妻とお住まいの御所で会見されました。両陛下は午後4時に皇居・御所に到着したマルコス大統領夫妻を出迎え、にこやかに握手を交わされました。

会見で、陛下は「先の大戦でフィリピンでも戦闘が行われ、多くの人たちが犠牲になったことは残念でしたが、両国はそのような不幸を乗り越えて交流を深め、今では看護師や介護福祉士の候補者が活躍していることは大変うれしく思います」と述べられると、大統領は「フィリピンの近代化のために日本が多大な支援をしてくれたことに心から感謝します」と述べたということです。

また、大統領は「フィリピンにおいても、水の問題は気候変動のためにますます複雑化しています。陛下の水問題の研究を参考にさせていただいています」と述べると、陛下は「気候変動の影響で世界各地で自然災害が増えていますが、フィリピンにおいても、2年前に台風のために多くの人たちが被災されたと伺っています。心からお見舞い申し上げます」と述べられました。

両陛下と大統領夫妻は初対面でしたが、25分間にわたり、通訳を介さず英語でなごやかに懇談され、見送りの際に大統領は両陛下に「ぜひフィリピンにいらしてください」と招待していました。