小学5年生の少女が作ったゲームがプログラミングの全国大会の熊本代表に選ばれました。コンセプトは「ゲームで自分も成長」親の小言もプラスにかえる小学生ならではのアイデアとは。
熊本代表の少女はプログラミング教室にいました。

プログラミング教室 講師「この行に【ごみ箱に触れたら】っていう変数、条件を新しく作ってあげる」
久保田 千織さん「座標を変えるのか」

ゲームクリエーターの先生と専門用語でやり取りする、小学5年生の久保田千織(くぼた ちおり)さん、作っているのはキャラクター育成ゲームです。

その出来栄えについて専門家は…
講師「ゲームを作っている人間からしても、テーマとしてかなり面白いし、等身大の女の子の作品だなって思いますね」
千織さん「熊本県代表になっているので、やれることは全部やりたい」
そのゲームが「そだて!MyMe(まいみー)」

千織さん「これ【MyMe】という自分も一緒に成長していくキャラクターです」

このゲームの目的は「自分が苦手なことを楽しい習慣にする」こと。「勉強」や「片付け」など毎日の目標を3つ選び、達成すると「MyMe」の成長に必要なご飯や遊び道具をゲットできます。
千織さん「ご飯を食べて…『進化しそう』って言って、進化してくれます」

「字をきれいに書く」「忘れ物をしない」など達成すべき目標のリストは、自分や友達が親から叱られた経験を元に作られています。
千織さん、取材した日の朝もお母さんに叱られたようで…
千織さん「きょうは(取材で)色んな人に手伝ってもらうんだから、ちゃん起きなさい!って。今年はもう怒らないって言ってたじゃん!みたいな」
母 美和さん「そして怒られるっていうね。それが嫌であのゲームができたんですよ」
そんな時は、ゲームの目標に「早寝・早起き」を設定し、生活を見直すこともできます。

日常生活とゲームがリンクした「そだて!MyMe」2022年12月に小学生のプログラミング大会に出品すると…グランプリに輝き、全国大会への出場が決まりました。

ゲームはどうやって作るのか。例えば、ネコのキャラクターが歩いて回転する動き。

画面上での動きを指示するブロックを組み合わせ条件を指定することで実現できます。このようなプログラムを積み重ねることでゲームという複雑な構造を作り上げていくのです。

パソコンをのぞくお母さんは…
美和さん「奥が深そうでちょっと…分からないですね」

1か月後に迫った全国大会に向け、今、千織さんはゲームの改良を続けています。この日も先生と意見を交わします。

講師「ユーザーが触りやすくするにはどうすればいいだろうっていうところが、すごく大事」
改良を加えているのは「ごみ箱」の機能。いらないアイテムを捨てようとします がうまくいきません。

千織さん「分からない所もたくさんあるので、ちょっとずつ理解していきたい」
試行錯誤が続きます。

そんな千織さんを後押しするのが学校のクラスメートたちです。学校のホームルームで、クラスメートたちが千織さんのゲームを開いていました。

日々遊んでくれている「ユーザー」に改善点を出してもらいます。
クラスメイト「MyMeが進化すると、背景も変わるといいと思います」

クラスメイト「いいなって思った」
クラスメイト「アイテムの数も増えたから、前より楽しくなりました」
千織さんが改良に励む「ごみ箱」機能もクラスメートからの意見で気付いた部分です。そして試行錯誤の末にごみ箱を完成させました。

千織さん「みんながたくさん遊んでくれたり、改善点を出してくれて協力してくれるから、自分もできることはたくさんして、いい成績を残していきたいです」
ゲームと共に成長する千織さん、「そだて!MyMe」を全国に発信します。













