レオン ゲレーロ グアム州知事「海兵隊の成功は、グアムの人々の成功にとって不可欠です」

祝賀ムードに包まれるアメリカ海兵隊『キャンプ・ブラズ』の発足式典。しかし、その傍らでは海兵隊の移転について意見が対立する市民が口論になる姿もみられます。

賛成派)海兵隊がいらないってこと?
反対派)そうよ。
賛成派)どうしたいの?みんなに出て行ってほしいわけ?
反対派)それは現実的じゃないわ。あなたの言っていることは極端すぎる。戦争はいや。攻撃の的にされるかもしれないのよ。

新たな基地が発足した今もグアムは揺れています。グアムの主な産業は観光業ですが、新型コロナの影響で、ピーク時の5%にまで落ち込みました。

2011年当時、海兵隊の受け入れを承認したエディ・カルヴォ前グアム知事は、グアム経済の『特徴』をこう表現します。

カルヴォ前知事「“Guns and Butter”(銃とバター )、 私たちの持つ大規模なアメリカ軍の存在が、グアムの経済を構築し強固なものにしています。同時に私たちは観光業に頼っています。それが“バター”(もろいもの)です 。しかし新型コロナによって観光業は一掃されてしまったのです」

カルヴォ前知事によると、「コロナ禍でも休暇や訓練、基地の建設で軍の関係者が宿泊していた」として基地がもたらす経済効果に期待を寄せています。

さらに海洋進出を続ける中国の存在に触れ、自身の判断は正しかったと強調しました。

カルヴォ前知事「元々は沖縄の負担を軽減するための協定でしたが、今となってはまさにグアムにとって“思いがけない幸運”だったと言えます。中国への抑止力、それが海兵隊移転に賛成する理由であり、それは正しい行動だったと思います」