8人の新人議員が誕生した松山市議会議員選挙。
注目候補の1人が、LGBTQであることを公表した渡邉啓之(わたなべひろゆき)さん(49)です。
渡邉さんが目指す松山市政の姿とは・・・
特集です。
(街頭演説)
「私はLGBTQ当事者ですから、差別も受けました。偏見も受けました。つらい思いもしました。でも楽しい思いもしましたし、幸せな思いもしております。そんな人間が松山市議になったら、LGBTQの人達と松山市の人達が手をとりあい、差別・偏見のない松山市を作っていくお手伝い・架け橋になるのではないでしょうか。」(渡邉啓之さん)
性的マイノリティーを表すLGBTQ。
渡邉啓之さん(49)は、生まれた時の性別と心の性が一致しない「トランスジェンダー」であることを公表し、今回の松山市議選に出馬しました。
男性として生まれた渡邉さん。
中学2年生のとき、自分の性に違和感を覚えたといいます。
「ある日突然(男性が好きなことに)気付いてしまって、意外と冷静に受け止めてそのまま高校受験になりました。私はその中ではカミングアウトをしていたので、確かにクラスにいじめに来た先輩はいました。けど全然なんとも思わなくて」(渡邉さん)
高校を中退後、大阪や京都のニューハーフの店で働き、26歳のとき手術によって身体も女性に転換しました。
そして13年前、愛媛県松山市に移住。
現在、市内でトランスジェンダーの仲間と共同でバーを経営しています。
(街頭演説)
「仕事をする前にまず問題が起きます。更衣室問題です。私は男用の更衣室でしょうか、女用の更衣室でしょうか」
「若い子達が私達みたいな苦しみを味わう必要はないなと思いまして、それなら彼女達・彼達に住みよい環境を作ってあげたら」(渡邉さん)
通行人)応援しているので頑張ってください
渡邉さん)ありがとう~!
通行人)うち当事者なんです。
渡邉さん)ほんと??頑張ろうね
選挙中、渡邉さんのもとには、LGBTQに関する様々な相談が寄せられていました。
「今でも多分いじめられている子はいると思う、LGBTQで。この選挙活動しているときに、1日1人は相談に来ます。『実はLGBTQで悩んでいます』とか。そういうことを演説中に言うくらい多いんだなと」(渡邉さん)
(チラシ配布)
渡邉さん)渡邉啓之です。よろしくお願いします
通行人)ありがとうございます
(通行人)
「私の友達がそう(LGBTQ)だし、ぜひ世の中に出て大いに発言してほしい。恥じることなくちゃんと自分という存在を示してほしい」
「『おかまに分かるのそんなこと?』『結婚も出来ない、子どもも出来ないのに』と言われたこともあります」(渡邉さん)
苦しんでいる人たちの思いを行政に届けようと、LGBTQの仲間も応援に駆け付けました。
(香川から応援に来たLGBTQの当事者)
「ここ(選挙)に出ることに意義があると思うので、四国の中では珍しいので一歩前進になったかなと」
「みなさんの相談によって私は実行できる。そういのが市議会議員だと思う。そういう市議会議員になりたい」(渡邉さん)
そして、迎えた投票日。
「当選確実です!」
5169票を獲得し、4位で初当選を果たします。
(渡邉さんと支援者ら)
バンザ~イ!バンザ~イ!バンザ~イ!
「自分で信じられない。『ビリでもいいから当選しよう』というのが合言葉で頑張ってきたんです。それが当確が出るなんて夢にも思いませんでした。LGBTQやからって特別待遇をするわけでなく、はれものに触るわけでもなく『全然普通やん』そうなるようなことをしていきたい。だから皆と同じということ」(渡邉さん)
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