2020年、福島県の猪苗代湖で3人が死傷したボート事故で業務上過失致死傷の罪に問われた男の裁判で、最高裁は検察側と被告側の双方の意見を聞く弁論を開きました。

福島県いわき市の元会社役員・佐藤剛被告(49)は2020年9月、猪苗代湖で安全確認が不十分のままボートを操縦し、湖に浮かんでいた豊田瑛大さん(当時8)をはねて死亡させたなどとして、業務上過失致死傷の罪に問われています。

1審の福島地裁は佐藤被告の過失を認めて禁錮2年の実刑判決を言い渡しましたが、2審の仙台高裁は「前方を注意したからといって、確実に被害者を発見できたとはいえない」などとして無罪を言い渡し、検察側が上告していました。

最高裁はきょう、検察側と被告側の双方の意見を聞く弁論を開きました。

裁判の主な争点は、▼衝突地点の周辺が湖の上に浮かんでいる人がいることを想定できるような水域だったか、▼衝突を回避できる地点までに佐藤被告が被害者らを人として発見することができたかです。

検察側は「衝突地点の周辺に人がいるかもしれないと想定することは、決して困難ではなかった」「安全確認義務を尽くしていれば、衝突を回避できた」などと指摘。

一方、被告側は「佐藤被告はできる限りの注意義務を果たしたと認められ、佐藤被告を無罪とした高裁判決に事実誤認はない」などと主張しました。

弁論は判決内容を変更する際に必要な手続きで、佐藤被告に無罪を言い渡した2審判決が見直される可能性があります。

判決日は後日、指定されます。