ロシア軍が制圧したと主張するウクライナ南東部マリウポリの市議会は、市民1000人が埋められた可能性がある新たな場所を発見したと発表しました。
これはアメリカの民間企業が撮影した先月22日のマリウポリ郊外の衛星写真です。この1週間後の写真では地面が掘られている様子が伺えます。さらに、今月15日には範囲が大きく広げられていました。
写真の公開を受け、マリウポリ市議会は23日、大勢の市民が埋められた場所が新たに見つかったと発表。殺害された市民少なくとも1000人の遺体が埋められている可能性があるとしています。
マリウポリをめぐっては、プーチン大統領が22日、EU=ヨーロッパ連合のミシェル大統領との電話会談で「解放後、人道的な理由からアゾフスタリ製鉄所への突撃中止を命令した」と強調。また、「武器を捨てたウクライナ兵士や外国人傭兵には命と治療を保証している。しかし、ウクライナの政権がその機会をいかすことを許していない」と主張しています。
これに対し、ウクライナのシュミハリ首相は。
ウクライナ・シュミハリ首相
「現時点のマリウポリの状況は数千人の兵士がアゾフスタリ製鉄所にいる」
シュミハリ首相は、製鉄所には数千人のウクライナ兵がいて、女性や子供を含む多くの市民を守っていると話しました。そのうえで、「今世紀だけでなくおそらく前の世紀を含めても最大の人道的惨事だ」とロシア側を非難しています。
一方、インタファクス通信によりますと、ロシア軍高官はウクライナにおける特別軍事作戦の「第2段階」の目標について、「東部のドンバス地方と南部を完全に制圧することだ」と表明しました。ロシア本土と、一方的に併合したクリミアとを結ぶ「回廊」を完成させるとしています。また、モルドバ東部でロシア系住民が一方的に独立を宣言している地域との「アクセスも可能にする」としていて、ウクライナ南部でも支配を拡大させたい構えです。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、「ロシアは他の国にも侵攻したい。ウクライナは始まりにすぎない」と警告しています。
こうしたなか、国連はグテーレス事務総長が26日にモスクワでプーチン大統領と、28日にはウクライナでゼレンスキー大統領と相次ぎ会談することを明らかにしています。
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