「令和のコメ騒動」とは何だったのでしょうか。政府は先ほど、備蓄米の買い戻しを決めました。コメ価格を下支えするような政策は本当に良いのか、疑問の声も出ています。

新米が並び始めたスーパーのコメ売り場。異変が起きていました。

記者
「こちらのスーパーに並べられている茨城県産の銘柄米を見てみますと、古米は3000円台なのに対し、新米は2500円台と、新米の方が安くなっています」

銘柄が違うので単純比較はできませんが、古米よりも新米の方が安い“逆転現象”が起きていました。

全国のスーパーで売られるコメの平均価格は5キロあたり3156円に。去年の同じ時期より600円以上安い水準です。

下落の要因の一つが、去年大量に放出された備蓄米。その備蓄米をめぐって政府はきょう、21万トンを買い戻すことを決めました。

鈴木憲和 農水大臣
「食料安全保障の観点から、適正な備蓄水準100万トンへの回復を進めるべく、買戻しを実施をいたします」

大幅に減った備蓄米の水準を回復するためと説明していますが、根底にあるのは価格下落への強い危機感です。

JA全中 神農佳人 会長(先月20日)
「今後も持続的に米作りをできる生産額でなければ、米作りは全国的に衰退してしまう」

農業団体は「コメが暴落すれば」農家が減ってしまうと訴えています。

それを防ぐために国が重視しているのがコスト指標です。コメの生産から販売までにかかる費用を積み上げたもので、5キロあたり2800円台と試算されています。ただ、この数字には問題があるとの指摘も…

宮城大学 大泉一貫 名誉教授
「3ヘクタール未満の非常にコストの高い層のコストを参考にした。日本全体の米生産をならしてコストを計算するとしたら、コストは低くなるはず」

小規模の農家のコストが元となっていて、コメの生産コストが実際より高く見積もられているというのです。

宮城大学 大泉一貫 名誉教授
「結局、高い価格で農業をやると、自分で自分の首をしめてしまうことになる」

コメ価格が高止まりすると、外国産のコメがあたりまえに使われるようになったり、消費者のコメ離れが続いたりしかねないと話します。

実際、コメ価格はわずか3年前までは5キロ2000円以下。4000円台から3000円台に下がったとはいえ、暴落とまでいえるのか、受け止めも様々です。

「麻痺していて、すごく安いと感じるが、やはり昔と比べると、すこし高いというか」
「消費者としては、安ければ安い方がありがたい」

本来、考えるべきは、目先のコメ価格を維持する政策からの転換だと専門家は指摘します。

宮城大学 大泉一貫 名誉教授
「価格を上げて稲作生産を維持するという形から、コストをできるだけ下げて、比較的、安い価格でも営農できるような、そうした稲作の構造に変えていく必要がある」