市側と職員側の間で対立が続く静岡市立清水病院の再編問題。市民や職員から不安の声が上がる中、難波市長は長年の赤字経営に触れ「来年、手を打つことは拙速ではない」と理解を求めました。

一方、産科の廃止については分娩件数の減少を理由に「諦めざるを得ない」と述べました。

<静岡市 難波喬司市長>
「拙速だと言われますけど、2013年に方針が出て、この病院を何とかしなければいけないと言われて13年なんです。2027年の4月で14年になるんです。そこで手を打つことが拙速だと言えるんですかと」

9月2日、難波市長が強い言葉で反論したのは、静岡市立清水病院をめぐる問題です。深刻な赤字経営が続く清水病院をめぐっては、経営改善を図るために2027年度から清水厚生病院を運営するJA静岡厚生連を指定管理者とし、一体的に運営する方針が示されています。

<清水病院の職員>※8月27日取材
「到底私たちは納得できるようなものではない」
「誠実さが足りないなというは強く感じました」

こうした動きに反発しているのは清水病院の現役職員たち。静岡市は8月27日、初めて新体制の診療科を示しましたが、具体的な診療内容の説明がなく「準備期間が不足している」と職員らは不満の声を上げました。

難波市長は9月2日の会見で、2027年度以降も現在と同じ29の診療科を維持すると述べました。

<難波市長>
「内々にはどこの大学から何人(派遣)であるとか、今いらっしゃる医師の方々の意向もお聞きして、そういったことも含めながら人数の確保は十分できる」

一方、産婦人科については分娩件数が減少傾向にあることから「産科」を廃止し、「婦人科」に変更すると正式に表明しました。

<難波市長>
「お産の数がないと(医師を)派遣してもらえませんので、そこが確保できないということなので、ここをあきらめざるを得ない」

今後は駿河区の静岡済生会総合病院と協定を締結し、清水区の住民がお産ができる体制を確保していくとしています。新体制のスタートまで残り7か月。静岡市は9月議会に指定管理者制度を導入するための条例改正案を提出します。

難波市長は、産科の撤退について「病院の一体運営とは別問題だ」と説明しています。

静岡市内の分娩件数の推移をみると、少子化の影響で年々減少していますが、清水病院では2022年度から分娩件数が200件を下回っています。

現在、清水病院には産科医が4人から5人いるということですが、医師を確保し続けるためには一定の分娩件数が必要で、200件程度では少ないということです。

清水病院の産科がなくなると、清水区内で分娩できる総合病院はなくなり、お産ができる医療施設は診療所1か所だけとなります。

経営改善を進めながら、地域に必要な医療をどう残していくのか。2027年4月以降の新体制に向け、静岡市は今後も丁寧な説明が求められます。