ニューヨークで今、食べ物を求める人が無料の食料支援に殺到しています。背景にあるのは、トランプ政権による制度変更。物価高も続くなか、支援の現場で何が起きているのでしょうか。
ニューヨークのスタテンアイランド地区。棚一面に食材が並び、平日の午前中から多くの人でにぎわっているこの場所。実は、スーパーではありません。
支援団体代表 アレックスさん
「週に2回、開いています。通常のフードパントリーの日には350人~600人が訪れます」
「フードパントリー」。生活に困っている人に無料で食品を配布する場所のことです。
支援団体代表 アレックスさん
「きょうあるのはじゃがいも、玉ねぎ、きゅうり…」
利用者は、世帯の人数にあわせて受け取れる食材の数が定められています。
こうしたフードパントリーなどは、ニューヨーク市内だけでも700か所以上。アメリカでは6人に1人が利用したとのデータもあり、誰もが知る存在です。
支援団体のスタッフ
「おはようございます。寄付の品を受け取りに来ました」
次々と渡されたのは、賞味期限が近づいた商品です。このフードパントリーでは、連邦政府や州、市からの補助金に加え、一般企業から食材や商品を無償で提供してもらうことで運営されています。
そんななか、ここ数か月で異変が起きているといいます。
支援団体代表 アレックスさん
「今年7月に提供した食事は、1年前から1万食も増えました」
アレックスさんは、利用者が急増している背景にはトランプ政権による制度変更があると指摘します。
アメリカ トランプ大統領
「これは我が国の署名された法案の中で最も人気のあるものだ」
トランプ政権が去年7月に成立させた大型減税法案。大統領は成果を強調しますが、その「しわ寄せ」は福祉の現場に向かっています。
見直しの対象となったのは、SNAP=低所得者向けの公的な食料支援制度です。専用のカードを使って食料品を購入できる制度ですが、予算削減の一環として、政権は受給要件を厳しくするなど、SNAPの対象を絞り込みました。
ニューヨーク市では、今年6月だけでおよそ2万2000人がこの制度を受けられなくなったということです。
そして、特に影響を受けているのが子どもです。
支援団体代表 アレックスさん
「学校関係者からかつてないほど相談がきています。『手当を打ち切られ、家に食べ物がない家庭がある』と」
2人の子どもを持つシングルマザーの女性は、週に2度、フードパントリーを利用しています。40万円ほどの月収は、半分は家賃に消え、半分は食費で消えてしまうと話します。
2人の子どもを育てるシングルマザー
「子どもたちが大きくなるにつれて、食べる量も必要なものも増え、教育費もかさみ、生活が厳しくなってきています」
アレックスさんは政策の見直しを訴えています。
支援団体代表 アレックスさん
「必要とする人に十分な食料を届けられなくなる日が近づいています。食料が底をつくことをなにより恐れています」
止まらない物価高のなかで、支援を必要とする子どもたちが増える一方、支える現場にも限界が迫っています。
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