アメリカ最高裁が人工妊娠中絶の権利を認めてから50年。去年、この判断が変更され、中絶の規制が強まるなか、いま、男性たちにある変化が出始めています。
「私の身体は、私の選択!」
中部ウィスコンシン州の議事堂。女性を中心に多くの人が集まり開かれていたのは、毎年行われる「ウィメンズ・マーチ」、今年は全米200か所以上で開催されました。
この日は、連邦最高裁が「中絶は憲法で定められた女性の権利」だとする判断を示してから50年の節目。去年6月にこの判断が全面的に覆され、中絶を禁止したり制限を課したりする州が増える中、「女性の選択を尊重するべきだ」と抗議の声があがりました。
参加者
「とても怒っています。ただただ怒りの感情です。またこうして50年経った今、戻ってきました」
記者
「大勢の女性が中心となって集会が開かれていますけれども、きょうの集会、このように男性の姿も非常に多く目立ちます」
実はいま、男性にもある変化が起き始めているのです。
訪れたのは、中部アイオワ州のクリニック。主に「男性の避妊手術」を施しています。28歳のダルトンさんも…
避妊手術を受けた ダルトンさん
「2人目の子どもができてから、避妊手術を考えていたんです」
これ以上、子どもを望まないことから避妊手術を決意したといいます。
避妊手術を受けた ダルトンさん
「(最高裁の)中絶の判断が変わったことによって、今回の手術を決心しました。避妊の手術をすれば、今後、中絶の可否をめぐる不安を抱くこともなくて良いですから」
この日は30分おきに続々と患者が…。医師のグアリンさんは最高裁の判断変更以降、「避妊手術」を希望する男性が急増したと話します。
グアリン医師
「判断変更があった日から2日間はホームページへのアクセスが2.5倍から3倍にも増えました。それだけ関心が高まったということです」
手術件数が判断変更前の2倍以上にのぼった月もあったといいます。
中絶の権利に次いで、いま認められている避妊方法が今後、認められなくなってしまうのではないかと不安に思う人たちが出てきたのです。さらに…
グアリン医師
「女性の中絶の権利が制限されたことで、男性も責任を感じ始めたのです。より多くの男性が出産や中絶ということに対する自分の役割を考えるようになりました」
「『中絶や避妊は女性が考えること』という意識に変化がみられ、男性が『自分事』としてとらえるようになってきた」と話します。
中絶の権利が制限されたことで芽生えた、男性の意識の変化。
集会参加者
「女性が声をあげ、男性も女性のために声をあげることで変えることができるのです」
「政府がすべきことをきちんと実行してもらうために、女性と男性が一緒に努力しなければなりません」
男性の意識の変化が中絶容認派と禁止派という国を2分するテーマに、今後、どのような影響を及ぼしていくのか注目されます。
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