「血がついたことで、弁償代を払わせようと思いました」
さらに暴行がエスカレートし、金品を要求するに至った経緯について、主犯格とされる男は「血がついたことで、弁償代を払わせようと思いました」と証言。「当時、自分の服に血がついて、新千歳空港から向かったので、迷惑をかけられたこともあって、迷惑代と血がついた弁償代として強く言いました」と、身勝手な理由で金品を要求したことを語りました。
一方、共に審理を受けている当時17歳のアルバイトの少年も、7月16日の弁護側の被告人質問で、自身の暴行について証言しました。
少年(当時17)は、暴行の後半(第3暴行)において「右手で左頬を殴りました。坂の上で、どういう理由かわからないですが、本気で殴りました」と証言。
長谷さんが、当時、現場の様子を録音をしていたことに主犯格とされる男が気付き、長谷さんが逃げようとした際、主犯格とされる男から『やっちゃえ』と指示を受けたと主張しました。
弁護人から、被害者の体のどこにどういうことを何回したか問われると、「まず、右の拳で左頬を1回殴りました。立った状態で2、3回腰あたりを本気で蹴りました」「その後、曖昧ですが、腹と胸付近、背中を蹴ったり踏んだりしました」と証言。合計で何回ぐらい暴行したかという問いに対しては、「暴行は55回前後です」と具体的な数字を挙げて答えました。
しかし、法廷で明らかになったのは、凄惨な事実だけではなく、共犯者間での証言の食い違いと、責任をなすりつけ合うような姿勢でした。
第1暴行の開始状況について、主犯格とされる男は、自身が暴行を始めた際に少年(当時17)に対して『やれ』と指示を出し、少年も加わってきたと証言しました。また、財布をあさって金品を奪うきっかけを作ったのも、少年(当時17)が「カバンひっくり返せ」と言って長谷さんのリュックを取り上げ、中身を地面に広げたからだと主張しました。
これに対し、少年(当時17)は、第1暴行の時点では「主犯格とされる男が暴行している様子を見ていただけで、自分は一切暴行をしていない」と否定。カバンをひっくり返した件についても、自らカバンをひっくり返して中身を出した事実はなく、主犯格とされる男がしびれを切らして自らカバンを取り上げたのだと反論しました。
また、少年(当時17)が長谷さんに馬乗りになって殴り続けていたとする主犯格とされる男の証言に対しても、少年(当時17)は「正面にしゃがみ込んで顔面を2、3回殴っただけであり、またがってはいない」と否定。
逆に、長谷さんの両側に立って蹴っていたのは主犯格とされる男と、当時16歳の少年(懲役9年~13年の不定期刑が確定)の2人であったと主張し、互いに相手の責任を重く見積もる証言を繰り返しました。
公判では、暴行の大部分を担ったとされる2人の被告。しかし、細部について、責任を押し付けようとする姿勢が見られました。
2人の被告人の裁判員裁判の判決は、7日に言い渡されます。
起訴状によりますと、主犯格とされる当時18歳のアルバイトだった男は、当時17歳の少年ら男女5人と共謀し、2024年10月25日から26日にかけて、長谷知哉さん(当時20)の顔や腹部を多数殴る蹴るなど暴行。
さらに「全部出せ、全額」「クレジットカードもな」などと脅迫して暴行を加え、現金やカードなどを奪い、長谷さんを外傷性ショックで死亡させたうえ、奪ったクレジットカードでたばこなどをだまし取ったほか、キャッシュカードで現金12万7000円を引き出したなどとして、強盗致死や詐欺、窃盗などの罪に問われています。
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