日本銀行は金融政策決定会合で現在の大規模な金融緩和策の修正を見送り、現状維持を決めました。市場では固定型住宅ローンにも影響する長期金利が急低下するなど、大きく反応しています。
前回は「サプライズ」での政策変更に踏み切った日銀の黒田総裁。今回は動きませんでした。
日本銀行 黒田東彦総裁
「現在は経済をしっかりと支え、企業が賃上げができる環境を整えることが重要であり、日本銀行としては金融緩和を継続し、賃金の上昇を伴う形での物価安定の目標の持続的、安定的な実現を目指していく」
日銀の決定は現状維持。ただ、私たちの暮らしに関わる円相場や株価、金利は大きく動きました。
日銀は金融政策決定会合を開き、現在の大規模な金融緩和策を維持することを全員一致で決めました。
前回、12月の会合では長期金利の変動幅をプラスマイナス0.25%程度から、プラスマイナス0.5%程度に引き上げましたが、これも変更せずに維持しました。市場では日銀が再び政策を修正するとの見方から、連日、長期金利が日銀が上限とする0.5%を超える異例の事態となっていましたが…
日本銀行 黒田東彦総裁
「経済合理性の観点からは、0.5%を超える利回りでの取引が継続的に行われることはないと考えられます。長期金利の変動幅を、さらに拡大する必要があるとは考えておりません」
市場は、大きく動きました。
記者
「一気に円安方向に動き始めました。1ドル=130円台。動きが止まりません」
円相場では円を売ってドルを買う動きが広がり、一気に3円ほど円安が進行。日経平均株価は、652円の大幅な値上がりとなりました。
記者
「こちら債券のトレーディングルームでは、問い合わせが相次いでいます」
債券市場では、固定型の住宅ローンなどに影響する長期金利が急低下。午前中に0.51%まで上昇した10年物国債の利回りは一時、0.36%をつけました。ただ、市場では今後、日銀が金利の引き上げなど金融引き締めに転じるという疑心暗鬼もくすぶっています。
東海東京証券 佐野一彦チーフ債券ストラテジスト
「今回政策修正がなかったため、ゆっくりとかもしれないが、0.5%に張り付く状況になっても全く不思議はない」
なぜ、今回、日銀は政策の修正を見送ったのでしょうか。
TBSテレビ経済部長 木戸誠人
「金利の上昇に向かう市場を、日銀が無理やり抑え込む状況は変わらない。『市場のゆがみ』をどう解消するか、日銀は難題を抱え続けることになる」
黒田総裁は4月に任期満了を迎えます。異次元の金融緩和からの脱却という重い課題は、後任の総裁に引き継がれることになりそうです。
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