岩木山の麓にある青森県弘前市の嶽(だけ)温泉郷で350年前から続く老舗旅館「山のホテル」が破産申請の準備に入りました。
コロナ禍で経営が悪化する中、追い打ちをかけたのは、2022年末に発生した源泉の温度と湯量の低下です。

嶽温泉郷にある「山のホテル」は、江戸時代の1674年創業の老舗です。狩猟で生活してきた「マタギ」と呼ばれる人たちの食事を再現した「マタギ飯」や熊の肉を使った鍋料理が人気を集めていました。

東京商工リサーチによりますと、最盛期の1998年12月期には売上高が約3億8000万円に上りましたが、その後は宿泊客の減少が続き、コロナ禍で経営が厳しさを増していました。
負債総額は2021年12月時点で約5億円となっています。2022年11月からは休業して改修を予定していましたが、年末から温泉街で源泉の温度と湯量が低下したことから、事業の継続を断念したということです。


「山のホテル」は、「来館を楽しみにされていた沢山のお客様に大変申し訳なく思っています」などとコメントしています。3月には、青森地裁弘前支部に破産申請する見通しです。