無料で楽しめる「大学博物館」を毎週紹介する夏休み企画第1弾は、今にも泳ぎ出しそうなほどリアルな化石と出会える博物館です。

泳ぎ出しそうな「リアルな化石」

夏休みにオススメの施設を紹介してくれるのは、大学博物館を15年以上取材してきた大坪さん。

大学博物館ライター・大坪 覚さん:
「古代の魚類の化石があって、出土したものを“アートのように”展示しているので圧倒的な存在感。“世界でも類を見ないコレクション”

それが、東京・千代田区にある『学校法人城西大学 水田記念博物館 大石化石ギャラリー』。

THE TIME,マーケティング部 佐藤あゆみ部員:
「部屋に入ると正面に大きな化石があって…中はすごい数。一面が化石!」

約4億年前の海にいた、鎧のような硬い骨を持つ『甲冑魚(かっちゅうぎょ)』と言われる魚類の化石をはじめ、まるで絵にかいたように羽や足の形がそのまま残っている昆虫の化石など、その数なんと200点以上。

しかもレプリカではなく、すべて“本物”。さらに国内で類をみないほど“保存状態の良い”化石が見られるのが最大の魅力です。

魚の化石も、骨だけの状態ではなく“ふっくら肉付きが良い”フォルム。今にも泳ぎ出しそうなリアル感から「化石の水族館」と呼ばれているといいます。

学芸員・宮田真也さん:
「魚の中の有機物と、地層中や海水中に含まれるカルシウムが結合してセメントのようなものを作る。そうすると地層の圧力から守ってくれるので立体的に残るのではないかと」

螺旋状に渦を巻く「サメの歯」

博物館の中でも貴重な化石の1つは、少し変わった形。

丸ノコのように、先のとがった“トゲ”のようなものが螺旋状に渦を巻いた状態で並ぶ化石で、一見アンモナイトのようにも見えますが…

学芸員・宮田さん:
「実はこれは、ヘリコプリオンという大昔にいたサメ・エイ・ギンザメの仲間の“下あごの歯”

約2億6000万年前に生存していた「ヘリコプリオン」というサメなどが属する軟骨魚類の「歯の化石」なのです。

通常サメは、使っている歯が抜けると後ろに控えている「予備の歯」がベルトコンベア式に前に出てきて生え変わるのですが、ヘリコプリオンは歯が抜けず、下あごの内側に取り込まれていく生態だったため、渦を巻くような螺旋状になったといいます。

学芸員・宮田さん:
「こういう歯の構造によって、当時すんでいたイカ・タコ・オウム貝などの生き物を切り刻んで飲み込みやすくしているのでは?いう考えもあるが、詳しいことはあまりよくわかっていない」

食べた小魚が“お腹に残っている”化石

この博物館ならではの化石にも出会えます。魚の化石の“お腹”をよく見てみると…

佐藤部員:
「あ、お腹の中に、尾びれの方を向いて目があって、もう1匹いる!」

なんと、お腹の中に“食べた小魚”が残っている化石なのです。

学芸員・宮田さん:
「実は、こういう化石はかなり重要。当時その生き物が何を食べていたのかわかる直接的な証拠になる」

こうした当時の食物連鎖や生態系を自然と学べるのも、この博物館ならではの特徴です。

約4億5000万年前の「化石割り体験」

本物の化石に“直接さわることができる”のも大きな魅力。立体感のある魚の化石に触れてみると…

佐藤部員:
「鱗の流れに沿って撫でるとツルツルしていて、それに逆らうように撫でるとざらざらしている。触れる化石、初めて」

自分で“化石を取り出す”体験もできます。

1000円で参加できるワークショップ「化石割り体験」では、卵ほどの大きさの石をハンマーで割り、約4億5000万年前の「三葉虫(さんようちゅう)」の化石を取り出したら持ち帰りもOKです。※小学生以上が対象で基本は事前予約が必要

▼高1女子:「ただ見るだけじゃなくて触ったり化石を割ったりする経験ができて、すごく貴重だなと思った」
▼高1女子:「教科書でしか見たことなかったから、迫力とかスケールとかを学べて勉強になった」

学芸員・宮田さん:
「化石の中には“当時の環境”を教えてくれるものもある。化石をきっかけにして、大昔の地球には“いま見ることのできない生き物”がこれだけいたということを知ってもらいたい」

(THE TIME,2026年7月20日放送より)