住宅ローンの金利にも影響を与える長期金利をめぐる日銀の判断に注目があつまっています。焦点は、黒田総裁が先月に続いて金利を低く抑えてきた政策を修正するかどうか。10年にわたって続く異次元の金融緩和があす大きな山場を迎えます。
都内の住宅メーカー。金利の上昇に対する不安の声が…
「金利が上がると物価も上がってきてるので、住宅ローンの方まで影響しちゃうと痛い」
「節約したりして、金利がどんって上がってもある程度対処できればな」
きっかけは先月の日銀の決定。長期金利の上限を引き上げたため、今月、銀行各社が固定型の住宅ローン金利を上げたのです。
さらに市場では、日銀があす再び政策を修正するとの思惑が広がり、3営業日連続で長期金利が日銀が上限とする0.5%を超える異例の事態となっています。
モゲチェック 塩澤崇COO
「1日100件以上問い合わせは頂いておりますので」
住宅ローンの比較サイトへの相談件数は2.5倍に急増。まだ影響を受けていない変動型にすべきなのかといった相談が寄せられています。
モゲチェック 塩澤崇COO
「日銀の動きというのは、住宅ローンユーザーの興味関心も非常に高い」
10年つづいた異次元の金融緩和。当時の安倍総理の意向を受けて日銀の総裁に起用されたのが、黒田氏でした。
日本銀行 黒田東彦 総裁(2013年)
「これまでとは次元の異なる、次元の違う金融緩和」
2%の物価上昇を2年で達成すると打ち出し、異次元の金融緩和を始めましたが、目標は達成できず。
苦肉の策で導入したのが、金利の誘導目標。本来市場で決まる金利を日銀が操作する奇策中の奇策でした。
野村総合研究所 木内登英エグゼクティブ・エコノミスト
「市場のメカニズムもすごく損ねてしまうという面があるというのが一つの大きな問題。二つ目は、場合によっては国債の大量の買い入れを強いられることになる」
導入当時から懸念されていた副作用が去年、現実になりました。
世界中が利上げする一方で、日本だけが金融緩和を継続。円安による物価高を招き、年末ついに事実上の利上げに追い込まれました。
野村総合研究所 木内登英エグゼクティブ・エコノミスト
「この異例の金融緩和策が日本経済の成長する力を高めたっていう証拠はない。本当に必要な政策が出てこない大きな機会損失があった10年。“失われた10年”」
黒田総裁の任期は残り2か月半。10年に及んだ異次元の金融緩和による副作用にどう対処するのか、あすの黒田総裁の判断に世界が注目しています。
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