熱海市伊豆山の未来を信じて歩み続ける人たちもいます。

シリーズでお伝えしてきた「熱海土石流5年」の最終回。被災地が抱える課題と希望ー、伊豆山の現在地を取材しました。

被災者の一人、小松こづ江さんです。5年前の土石流で自宅が半壊しました。

<小松こづ江さん>
Qここの場に来るのは?
「初めてです。5年目ですけれども、初めてここに来ました」

小松さんの自宅周辺は3年前まで立ち入り禁止の「旧警戒区域」でした。そのため自宅の修理が思うように進まず、今も自宅に戻れずにいます。

避難した132世帯のうち、旧警戒区域で生活を再建したのは、この5年間でわずか29世帯にとどまっています。

復旧が進まない現状に住民から要望を受けた熱海市が去年から始めたのが、地区別の意見交換会です。

熱海市と静岡県は当初、道路の拡幅や河川の整備を行い、2026年度末に復旧工事を終える計画でしたが、一部の用地買収が進まず、2026年4月に既存の道路を使った暫定案に変更しました。

<熱海市役所復興調整室 石井隆幸室長>
「できるだけみなさんの気持ちや想いに寄り添う形で残せれば」

住民の捉え方はさまざまです。

<小林義則さん>
「最初の計画はちょっと無理だったんではないのかなと。でも一生懸命頑張ってやってくれてるから」
「いたしかたないのかなとは思っております」

<太田かおりさん>
「もっと違うやり方をすれば、この5年あれば、もうとっくに終わってていいんじゃないかなというふうに思いました」

伊豆山の復旧は進みますが、小松さんは大雨が降ると5年前を思い出し、不安になるといいます。それでも、ふるさとへの愛着は消えることはありません。

<小松こづ江さん>
「住みよいところ、そして伊豆山というところをなくさないように、過疎地なんて言われないように、私はしていただきたいなと思っています」