被爆地域の外で原爆にあい、被爆者と認められていない「被爆体験者」をめぐる裁判で、体内に残留している原爆の放射性微粒子による「内部被ばく」が人体に影響を与えた可能性を示す論文が、原告側の証拠として提出され採用されました。

福岡高裁で続く被爆体験者の裁判。6月22日は、19日に行われた弁論準備手続きの内容が、原告らに伝えられました。

原告側は今回、長崎大学の研究グループが4月に発表した「内部被ばく」に関する最新の論文を証拠として提出。被告の長崎県・市はこの論文に反論する構えを示したということです。

原告側弁護団・三宅敬英弁護士:
「当然あるだろうと思っている(内部被ばくの影響)について、あるだろうではなくて写真も示せて証拠を出せたというのはすごく大きくて。全員勝訴判決を書き得る論文だと、すごく意義があると私は思ってます」

新たな争点となっている論文は、原爆投下3日後に爆心地に入り70年後に死亡した女性の肺の組織で、原爆由来とみられる放射線が検出されたというものです。周辺では、細胞が死滅した「空洞」が確認されていて、70年にわたる内部被ばくでがんになった可能性があるとしています。

長崎大学・七條和子客員研究員:
「微粒子の作用で4つの死の玉ができたりがん細胞になったりして、死へと導く可能性があります」

被爆体験者・里春江さん(当時2歳):
「私はどうかなと思ってるんですよね、外で遊んでいたもんですから、えーこういうこと初めて聞きましたと思いました」

裁判は2026年10月にも結審する見通しとなり、現在は認められていない原爆の「内部被ばく」の人体影響について、司法がどのように判断するか注目されます。