フィリピン国籍の女性が退去強制処分の取り消しを国に求めた裁判で、東京地裁はきょう(13日)、「本来、女性は人身取引の被害者として保護すべきだった」として、国側に取り消しを命じる判決を言い渡しました。

この裁判は、フィリピン国籍の40代の女性が退去強制処分の取り消しを国に求めたものです。

女性は2004年、群馬県のフィリピンパブで働くために「興行」の在留資格で来日しましたが、認められていた6か月の在留期間を超えて不法残留となり、2023年に退去強制処分を受けました。

国側は、女性が長期にわたって不法残留の状態を解消しようとせず、「法を軽視する態度が明らか」だと主張しました。

こうした中、東京地裁はきょう(13日)の判決で、不法残留に至った経緯には「酌むべき事情がある」としました。

その理由について東京地裁は、女性はフィリピンパブの経営者にパスポートを取り上げられ、航空券代などの名目で多額の借金を負わされたうえで、性的なサービスを強要されたと認定。逃げ出して頼った親戚からも暴力団関係者との結婚を迫られて助けを得られなかったと指摘しました。

また、女性の来日当時、同様に「興行」の在留資格で来日した外国人女性が雇用主にパスポートを取り上げられ、売春を強要されるケースが人身取引の典型例だったことに触れ、「本来、女性は人身取引の被害者として保護すべき対象だった」として、国側に強制退去処分の取り消しを命じる判決を言い渡しました。