住宅の現場にも広がる“ナフサ不足”の懸念。大手不動産会社ではマンションの引き渡し時期が遅れる可能性も出てきています。

タワーマンションが建ち並ぶ東京・湾岸エリア。その建設現場で今、“異変”が起きています。

記者
「見えてきました。こちらのタワーマンションです。工事も進んでいます」

現在、三井不動産レジデンシャルが手がける総戸数2000戸を超えるタワーマンション。来年8月下旬から順次入居が始まる予定でしたが…

三井不動産 藤岡千春 専務執行役員
「予定していた材料が少し届かない。調達先を変えたりしたら届くとか、多少の調整が必要な局面だと現場から聞いている」

契約者に対して、引き渡し時期が遅れる可能性があることなどを通知したということです。

現時点で工事に遅れは出ていないということですが、三井不動産レジデンシャルは「実際に影響が出る前に契約者に情報提供する」としています。

建設現場でいま、何が起きているのか?建設に関する展示会を取材してみると…

「ふせていただくだけで大丈夫、ポンポンと押していただければ」

住宅になくてはならない「断熱材」。使われているのは「ナフサ」を原料としたポリスチレンです。

イビデン樹脂 髙木将也さん
「仕入れ(価格)は倍近くまで上がっている。そちらをお客様に転嫁させていただく形」

今月の納品分から3割程度値上げせざるを得なかったといいます。

イビデン樹脂 髙木将也さん
「先の原料については数か月先までは確保しているが、それ以降については見通しが立っていないという状況」

木造建築に必要な金物を製造するこちらのメーカー。ここでも頭を悩ませるのは「ナフサ関連」です。

タツミ 浅見豪さん
「塗装の方で原材料になっているシンナー関係がだいぶ不足している」

金物のサビを防ぐための塗装液に必要なシンナー。7月から8月ごろまでの在庫は確保できていますが、それ以降の見通しは立っていないといいます。

タツミ 浅見豪さん
「現状、モノが入ってこない以上は対策を打てない状況にあるので、非常に厳しい状況というのは、堪えている部分」

他にも、木の板と板をつなぎ合わせる接着剤など住宅のあらゆるモノの原料となっている「ナフサ」。

経産省の担当者
「新築住宅は(資材が)少しでも足りないと完成品としてお出しできない難しさがある」

政府は関連製品の在庫も含めれば、「必要な量を確保できている」と強調していますが、専門家は、今後、住宅が値上がりする可能性があると指摘します。

SUUMO 池本洋一 編集長
「例えば2000万円位の戸建て住宅を建てて買う場合で100万円位の影響が出るだろう」

くすぶり続ける“ナフサ不足”の懸念。影響が広がっています。