全国の集合住宅で、「水道メーター」の盗難が相次いでいます。その数2800個以上。取材を進めると、狙われやすい住宅の特徴や盗難が相次ぐ背景が見えてきました。

団地の住人
「これがついている、普通。こっちにはないでしょう」

そこには生きるために欠かせない、あるはずのものがありませんでした。

姫路市の担当者
「利用者の大切なお金で設置しているもの。自ら名乗り出ていただきたい」

姫路市の担当者のこの訴えは『水道メーター』を盗んだ人物に向けられたもの。確認されている被害だけでも、兵庫県姫路市の公営住宅で155個、神奈川県の集合住宅で520個、静岡県の集合住宅などで640個など、全国的に水道メーターの盗難が相次いでいるんです。

狙われるのは主に団地などの集合住宅。

団地の住人
「1か月くらい前かな。泥棒か何か知らないけれど、『ガタガタガタガタ』と。夜中の3時ごろやっていたから、起きてそこまで行ってみた」

Nスタが訪ねた関東にある団地でも、去年の12月以降、水道メーターの盗難が相次いでいるといいます。

団地の住人
「去年の12月ごろ、ドアが開いていた。ガスメーターのドアが開いていて、『おかしい』と(近所の人と)話した」

検針員の単なる閉め忘れかと思いきや…

団地の住人
「しばらく経ってから、ある方が『水道のあれ(メーター)がなくなっているのを聞いた?』と。それで私も見たら、なかった。見てみるとわかりますよ」

案内してもらうと、鍵はなく、簡単に開けられることがわかります。

団地の住人
「これがついている、普通。こっちにはないでしょう」

本来あるはずの水道メーターがないのは、何十年も空室だという隣の部屋。なぜ、空室の水道メーターばかり盗まれるのでしょうか…

団地の住人
「こういうふうに、いないところに貼ってしまっている。誰が見ても『空き家』とわかる」

こちらの団地はおよそ600世帯ありますが、3割が空室です。発覚を遅らせるために空室を狙ったのではと住民は話します。

どこの家にも必ず設置されている水道メーター。事件の背景にあるのは、銅の高騰です。

多摩水道改革推進本部 武井豊 課長
「水道メーターには『銅』が多く含まれている。昨今、『銅』の値段が高くなっていると伺っているので、水道メーターを盗み、売却する目的だろうと」

5年前と比べて、銅の価格は2倍以上に。また、スムーズな検針のための『仕組み』が犯行に及ぶハードルを低くしてしまっているとみられます。

多摩水道改革推進本部 武井豊 課長
「(東京都では)基本、2か月に1回検診をするので、住んでいる方にお立ち会いいただかなくても検針できるよう、鍵はついてないことが多い。使用中のご家庭で水道メーターがなくなると、水が出なくなり、生活が非常に困難になってしまう」

全国各地で相次ぐ水道メーターの盗難。各自治体は注意を呼びかけています。