小説家・柚木麻子さんは、世界的なベストセラーとなっている小説「BUTTER」について、出版権を新潮社から河出書房新社に移したことを明らかにしました。背景には、週刊誌「週刊新潮」で差別的な内容のコラムが掲載された問題があるとしています。

小説家の柚木麻子さんは22日、自身のインスタグラムで、世界的なベストセラーとなっている小説「BUTTER」について、出版権を、新潮社から別の出版社、河出書房新社に移したことを明らかにしました。柚木さんが判断の背景としてあげたのが新潮社の問題です。

新潮社は去年、雑誌「週刊新潮」に掲載されたコラムについて、外国にルーツのある人への差別的な内容だとして名指しされた作家の深沢潮さんが抗議をしたほか、多くの作家からも批判が相次ぎました。

こうした事態を受けて、新潮社は20年以上続いていたコラムの連載を終了したうえ、謝罪しています。

柚木さんは一連の問題について、「出版というシステムの在り方を深く考え直す契機の一つとなりました」としたうえで、「作家として、自分にできる具体的なアクションは何か。検討を重ねた結果、新潮社様における複数の版権のうち、一作を他社へ移動するという選択に至りました。これは現時点での、私なりの最大限の意思表示です」などとつづっています。

また、「出版の世界が、読者や作り手が安心して表現に向き合い、多様な文化や価値観を受け止められる場所であることを切に願っております」などとしています。

河出書房新社によりますと、「BUTTER」は世界40か国で翻訳され、累計170万部を突破する世界的なベストセラーとなっていて、6月から新たに文庫として発売を予定しているということです。