経済の不透明感が強まる中国にとってなくてはならない存在が、「外資系企業」です。近年は中国から撤退するケースが相次いでいますが、“外資頼み”の政府は積極的に誘致を行っています。

記者
「こちらテスラの上海工場が公開されるということで、多くの報道陣が集まっています」

中国政府が主催したメディアツアーで公開されたのは、テスラの巨大な工場です。

記者
「いま完成したテスラの自動車です。続々と出てきています」

わずか40秒足らずで1台の自動車を組み立てることができます。

去年、テスラが全世界で納車したEVのうち半分がこの工場でつくられました。作業のほとんどが自動化され、およそ500台のロボットが稼働しているということです。

李強首相みずからがテスラの最高経営責任者イーロン・マスク氏と会談するなど、中国はテスラを「対外開放の象徴」として優遇してきました。それに応え、テスラは中国を重視する姿勢を強調しています。

テスラの中国法人トップ
「(上海に)アメリカ以外では初めてとなる研究開発センターを設立しました。将来的にアメリカと同じ規模の施設になることを目指しています」

きょう発表された1月から3月までのGDPの実質成長率は、去年の同じ時期と比べてプラス5%と順調な滑り出しでした。

経済成長をけん引しているのが「輸出」です。おととしの輸出額のうち3割弱を占める外資系企業は、中国にとってなくてはならない存在です。今回、メディアにテスラの工場を公開したのも、中国市場が外資系企業に対し開かれているとアピールする狙いがあります。

上海市政府の幹部
「専任の担当者を配置し、企業に合わせた対策を提供することで、外資系企業が発展の機会を捉えることができるよう支援しています」

一方で、撤退も相次いでいます。

記者
「上海の中心部にあるこちらの建物、かつては百貨店の伊勢丹が入っていたのですが、現在は囲いに覆われ入れなくなっています」

伊勢丹は中国で6店舗を展開していましたが、1店舗に縮小。ほかにも、ヨーロッパの大手自動車企業が中国での生産事業から撤退するなどしています。

長引く不動産不況による消費の低迷や、企業の競争が激化していることが影響し、去年、中国への外資系企業の直接投資額はピークだった2021年の4分の1以下に落ち込みました。

ただ、中には中国の市場はまだ魅力的だと考えている外資系企業もあります。

米タイヤメーカー グッドイヤー中国担当者
「中国市場はとても活気があり、競争も激しいですが、競争が私たちのような企業を最高のものに成長させてくれるのです」

中東情勢の混乱で景気の先行きに対する不透明感がさらに強まる中、中国経済の外資頼みの状況は続きそうです。