熱海土石流災害をめぐる民事裁判で原告側から遺族を含む5人が証言台に立ちました。遺族の一人は、行政や業者の対応について「本当のことを話して心からの謝罪を望みます」と胸の内を語りました。

<竹川知佳記者>
「午前9時40分です。原告団が亡くなった家族の写真を手に裁判所に入ります。きょうの証人尋問では遺族が初めて証言台に立ちます」

28人が死亡した熱海市伊豆山の土石流災害をめぐっては、遺族らが、崩落した“違法盛り土”の前と現在の土地所有者や静岡県、熱海市などに対して損害賠償を求めています。

25日の証人尋問には、原告側から遺族を含む5人が証言台に立ちました。

証人の1人、娘を亡くした小磯洋子さんは、発災時から変わらない悲痛な思いを述べました。

「親よりも娘が先に逝くというこの世で一番の地獄を味わっている。住民の命と財産を守ることが行政の最大の使命であり、怠ったことを認めて本当のことを話してほしい」

また、証人として盛り土の土地の現在の所有者も出廷。

男性は高齢のため証言が二転三転する様子がありましたが「私の土地が崩れて罪のない人が亡くなるなんてことは絶対に許せないこと」「責任がないとは思っていない」「反省しています」などと被災者への思いを口にしました。

証人尋問を終えた原告はー。

<母を亡くした鈴木仁史さん>
「発災当初から自分の所有する土地が他人を害しているにもかかわらず、見舞いの言葉もない状態だったので、反省しているという言葉が意外だった」

<母を亡くした田中彬裕さん>
「行政も業者もそれぞれ誰も非を認めないというか、責任を押し付け合っているような構図だと思っています」

<夫を亡くした小川慶子さん>
「人災だってことを今の時点では(証明するのが)大変ですけど、何かの形で長くみんなでやっていきたい」

最後の証人尋問は4月21日に行われ、原告側からは被害者の会代表で母を亡くした瀬下雄史さんなどが出廷します。

裁判は2026年7月に結審する予定です。