3月11日で、東日本大震災から15年です。あの日、地震から、わずか37分後に生まれた小さな命。この春、中学校を卒業します。

「産むことを諦めた瞬間も…」地震から37分後の誕生

2011年3月11日。誰もが記憶するあの揺れの、たった37分後に生まれた命があります。

瀬川虎さん(14)は、仙台市に住む中学3年生です。

15年前のあの日。午後2時46分。

母・史佳さん
「もう本当に出したい(産みたい)というギリギリのところで地震」

揺れの瞬間、母はもう出産間近でした。

仙台市内の病院は停電に。母親の史佳さんは陣痛をこらえながら病院の外に避難。気温は4.8度。さらに、雪まで降り始めます。

母・史佳さん
「もう1分単位になっていた陣痛の痛くない瞬間に5m移動、5m移動を繰り返して」

父・誠さん
「避難するまでも立ち止まって、何回か気を失いそうになっていた」

急いで産まないとおなかの中の命が危ないー。

分娩室は使えず、病院の受付の裏に用意された簡易ベッドで出産に挑みます。

父・誠さん
「先生も看護師さんも本当は避難しないといけないような状況なのに、本当に何とか出産させたいと」

母・史佳さん
「一瞬、産むことを諦めた瞬間がやっぱりあって、このまま出しても、もしかしたら生きられないんじゃないかとか、暮らせないんじゃないかということがよぎった」

それでも、あの揺れから37分後の産声。

母・史佳さん
「見た瞬間に『この子は大丈夫だ!』と思った。あのような状況でもすごく元気に出てきたというか」

瀬川虎さん(14)
「痛くないときに5mずつというのを初めて聞いたのですごいなと思って。自分ひとりのためにいろんな人たちが動いてくれて、ありがたいと思いました」

無事退院も、自宅のガスは止まったまま。ようやく産湯につかれたのは、地震から1週間後でした。