中国の国会にあたる全人代では、李強首相が「強い国内市場をつくる」と訴えました。しかし、中国が世界一の市場規模を誇る「宅配業」を見ると、受け取り拠点の撤退が相次いでいるといいます。いったい、なぜなのでしょうか?
街中にずらりと並ぶ宅配物。配達員は大きな荷物を載せてバイクに乗り込みます。
中国メディアによると、中国での宅配便の件数は、去年、過去最高となる1800億件に達するなど、市場規模は11年連続で世界1位となっています。
利用者
「よく使います。ほぼ毎日使っています」
配達員
「(1日の配達量は)400~500個くらい。忙しい時は集積所と宅配先を8往復はしますよ」
しかし、宅配業をめぐっては、こんな現象が。
記者
「中国のフリマサイトでは、宅配物を扱う店の経営権が出品されています」
出品されていたのは、宅配物の受け取り拠点の経営権。宅配物は受け取り拠点に一旦集められ、受取人がピックアップしたり、拠点のスタッフが宅配先まで配送したりします。
複数ページにわたり出品されていて、売却希望額は1万7000元や7万5000元など、日本円でおよそ40万円から170万円と、地域や規模によって異なるようです。
宅配市場が成長を続ける中、なぜ売却希望が相次ぐのか。営業する受け取り拠点を訪ねてみることに…
宅配物の受取拠点の運営者
「(宅配を)始めて4か月です。軌道に乗ったと思う」
夫婦で経営していて、1日に700件もの宅配物を扱い、報酬は荷物1つにつき、およそ25円から32円。2人で月に1万5000元=日本円でおよそ33万円は稼げると話す一方で。
宅配物の受取拠点の運営者
「普段は朝5時半くらいに来て、夜は配達が終わるまで。きついです。普通の人は耐えられない」
こちらはフリマサイトで経営権を出品する男性。売却を希望する理由は、やはり過酷な労働環境でした。
受取拠点の売却を希望する人
「2~3年やってきましたが、この仕事は休みがなく年中無休です。数日休むことなんてありません。この仕事は孤独に耐えられないとできません。(Q.宅配需要は大きいので、かなり稼げるはずでは?)どう言えばいいか…あなたはこの業界に全く触れたことがないでしょう。未経験ならおすすめしません」
さらに男性は、今年に入ってから1つの荷物に対する報酬が2円ほど下がったとも話します。
受取拠点の売却を希望する人
「人を雇えば利益はほとんど出ないし、上海は生活費も高いので、もっと楽な仕事をしようと思っています」
宅配業をめぐっては、中国では配達員の過酷な労働環境が社会問題となっていて、去年12月には配達員らによる大規模な抗議活動が発生しています。
習近平国家主席は先月、配達員と面会するなど、政府は労働環境の改善に乗り出すとしていますが、巨大市場の成長の先に、より持続可能な仕組みを築けるかが問われています。
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