みなさんは「ナッジ理論」という言葉をご存知でしょうか?福島県警察本部が、この理論を活用して、全国で初めて「万引き対策」の実証実験を行いました。その効果は?
6030件。これは去年1年間に県内で発生した窃盗件数です。このうち「万引き」は1322件と2割を占めていて、万引きのうち6割はスーパーで起きています。こうした中、行われたのが…。
録音再生機・呼び込み君「警察からのお知らせです。万引きはお店の経営に大きな影響を及ぼします」
「ナッジ理論」を活用した万引き対策の実証実験です。ナッジ理論では「万引きをしないでください」と強制するのではなく、聞いた人が自発的に万引きをしないように行動を促します。

この実証実験は、県警察本部と福島市のスーパー「いちい」、それに福島大学が協力し、去年8月から11月まで行いました。対象は、県内にあるいちいの13店舗で、万引きに遭いやすいチョコレートや酒などの販売エリアに、万引き防止の音声を入れた録音再生機を設置。音声は数種類流しました。その結果は…。
福島大学教育推進機構 鈴木あい特任准教授「商品によって、効果的なメッセージは異なるということが分かった」
袋のチョコやウイスキーの万引き防止に効果的だったのは、「万引きはお店の経営に大きな影響を及ぼします」「万引き防止の実験を行っております」といった【良心に呼びかける音声】です。

その一方で「万引きは犯罪です。万引き行為を見つけた際には、お店から通報します」といった【犯罪】という言葉を使った音声は、一部で悪化につながったということです。「警備員が店内を巡回しております」も、一部で悪化しました。
【スタジオ解説】
強制しない方が効果的というのは興味深いですが、「ナッジ理論」の「ナッジ」とは日本語で「行動をそっと後押しする」という意味があります。命令や指示するのではなく、相手に選択の余地を残しながら、そっと行動を促すものです。

実は、私たちの身の周りには、今回の万引き対策のほかにもナッジ理論が多く使われています。例えば、トイレで「いつも綺麗に使っていただきありがとうございます」という張り紙、スーパーやオンラインショップなどで目にする「期間限定」や「残りわずか」。これもナッジ理論の一つなんです。私たちも意識せずに行動を促されているケースが多いということですね。

県警は、効果のあった音声を各警察署に配布し、万引きが多発しているスーパーに設置することにしています。














