中国では、結婚を促される「催婚」が若者たちの頭を悩ませています。多くの人が家族と過ごす春節でさえ結婚の催促から逃れ、ふるさとに帰省しない女性たちもいます。

中国の旧正月「春節」。多くの人が、ふるさとへ帰り、家族や親族とともに過ごす大切な時期です。この「春節」をめぐり、ある悩みを抱える女性が集まる場所があります。

浙江省杭州市にあるゲストハウス。食卓を囲み、新年を祝う女性たちはみな、「春節に帰省したくない」という同じ思いを抱えています。

参加者
「親から結婚を急かされるので去年も帰りませんでした」
「(以前祖母に)結婚の話をされて、おめでたい雰囲気が台無しになり、それ以来(実家に)帰っていません」

両親などからの結婚へのプレッシャーが強く、親族一同が集まる春節は実家に足が向かないと口を揃えます。

中国では、親族らが結婚を催促することを「催婚」と呼び、それを苦痛に感じる若者は少なくありません。ある調査では、若者の68%が恋愛・結婚を急かされた経験があると回答。およそ80%が、「恋愛・結婚を急かされることで春節の親戚訪問のプレッシャーが増した」としています。

このゲストハウスでは去年から、春節期間に帰省したくない女性のためのイベントを企画。年越しを含む3日間、みんなで寺にお参りにいくなどして過ごしています。

参加者
「すごくいいです。女性同士だと価値観や考え方など共通点が多い気がして」

李さん、32歳。SNSでの募集をみて、今年初めて参加しました。

李さん
「『どうして結婚しないの?』『理想が高すぎるんじゃない?』みたいなことをよく言われます。対応するのに疲れてしまって正直しんどい。だったら質問する機会自体を与えないほうがいいと思ったんです」

普段は文具メーカーで働く、李さん。3年間付き合っている彼氏がいますが、いまは自分の時間を大切にしたいという思いがあり、結婚の予定はありません。両親は、今は理解してくれていますが、春節に帰省しなくなって3年目です。

李さん
「結婚自体を否定しているわけではなく『強制される結婚』に抵抗があるだけなんです」

今年もすぐに定員に達したということで、ゲストハウスのオーナーは、こうした“居場所づくり”の必要性を感じています。

ゲストハウスのオーナー 克克さん
「みんなでリラックスして過ごし、これからの道を考えたり休んだりすることで、また前に進む力が湧いてくると思います」

李さん
「すごくリラックスできました。同世代の人たちが集まってワイワイするのも、とても面白いことだと思いました。大切な思い出になりました」

春節の新たな過ごし方の中で、彼女たちは自分なりに幸せのかたちを見つけ出していました。