新型コロナ感染で自宅療養者が急増する中、ある問題が起きています。それは「パルスオキシメーター」の未返却。自宅療養の際、自治体から貸し出された計測器が返却されないケースが相次いでいると言います。

松江保健所薬事・感染症対策課 日野揚之 課長

「貸し出したパルスオキシメーターのうち、7割か8割返却をいただいている状況です」

「パルスオキシメーター」。血液中の酸素飽和度を測定し、体調変化を把握するための計測器です。


現在は、新型コロナ発生届の対象となる65歳以上の高齢者などが自宅療養するときなどに保健所から貸し出されていますが、松江保健所では新型コロナ第7波が猛威を振るった2022年7月から10月の間、パルスオキシメーターを貸し出したうち、7割から8割が返却済み。つまり残りの3割ほどが、未返却だというのです。

これは現在の療養中の患者の分も含んだ数字ですが、療養期間が終わっても、返却されないこともあると言います。

なぜ、返却しない人がいるのでしょうか?


松江保健所薬事・感染症対策課 日野揚之 課長

「患者さん個人の負担で返却をお願いしているところがありますので、それと期限を特に設けておりませんので、患者さんの療養が終わって、こちらへの便があるときにという協力のお願いという形でやっています」

返却する際は、患者側の負担であることなどが原因と考えられるとのこと。

また、こうしたケースも。

松江保健所薬事・感染症対策課 日野揚之 課長

「施設でクラスターが出ると、収束までに結構時間がかかりますので、貸出の期間が長くなったりします」

高齢者福祉施設などでクラスターが発生すると、施設内で感染が連鎖し、長期間返却されないケースもあると言います。

また鳥取県の米子保健所では、462個が3週間以上経っても未返却の状態とのこと。


現在は肺炎を発症する患者が少なく、パルスオキシメーターを使わない療養者も多いと言いますが、保健所は今後の感染状況に備え、「療養が終われば返却して欲しい」としています。