■「間違ったときにどうやって解決する人間なのか」を示せる場だったはずなのに…

井上貴博キャスター:
多くの愛煙家はルールを守っている中で、憶測で分かりませんが、ポイ捨ての瞬間が撮られるということは、どなたが撮ったかわかりませんけど、住民の方が前からその行動を見ていて、その証拠を押さえたということも想像できるなと。

田中ウルヴェ京 スポーツ心理学者(博士):
私が興味があるのは、田中市長は、ポイ捨てを一番やってはいけない人の傾向を知ってるわけですよね。であれば、逆転の発想的な言い方ですが、田中市長にもうちょっと深く発信をしていただきたい。例えば「酔っていた」ではなくて、「酔っていてポイ捨てをしてしまったのはなぜだろう」とか、「自分くらい…」と思ったのであれば、「なぜそのとき『自分くらい…』と思ったのだろう」とか、そういったことが分かると、啓蒙活動をもっと具体的にできるんですよね。「自分の事例をきっかけとして、しっかり課題解決の具体例を示していきたいと思います」とか、「間違ったことだったので、ほかにも解決策を作ります」とか、そんなふうに言ってもらえるといいのに、うやむやにするように見えたのはもったいないと思います。

井上キャスター:
対応が二転三転した部分があって、初動対応がしっかりとしていればというところがある。どうもうやむやにしているように聞こえてしまったので、市民と市長の信頼性に傷がついてしまう。傷口を広げてしまったのかなとも感じます。

田中ウルヴェ京 氏:
信頼って大きく2つ、やってはいけないことをやってしまったときの最初の行動と、そのことが分かったときにどのように対処するかという行動の大きく2つの行動で、私たちは人のことを信用したり信頼したりする。2つの行動の後者で間違っちゃったなと思ったときに、少なくとも、どうやって解決する人なのかということをしっかり示せる場ではあったと思います。

井上キャスター:
民間企業も何かあったときにリスクマネジメントが大変重要だと言われている中で、公人である市長がどうするのか。市民のみなさんが今後の選挙でどう判断するのかというところなんでしょうね。