福島第一原発事故の後、東京の国家公務員宿舎に避難していた住民に対し、福島県が退去などを求めて訴えていた裁判で、9日、最高裁判所は避難者側の上告を棄却し、敗訴が確定しました。国家公務員宿舎の退去をめぐり最高裁が判断を示したのは、初めてです。
この裁判は、2020年3月、東京の国家公務員宿舎に入居する自主避難者を相手どり、県が退去や損害金などを求めて、訴えを起こしたものです。
裁判は1審、2審ともに、避難者側が敗訴し、上告していました。また、2審の判決の後、県は、明け渡しの強制執行を申し立て、去年4月に執行されました。
避難者側からの上告について、最高裁は一部を受理し、9日、判決を言い渡しました。最高裁は上告を棄却し、避難者側の敗訴が確定しました。県が避難者を訴えた裁判で、最高裁が判断を示したのは、初めてです。
大口昭彦弁護士「非常に残念で悔しい、腹立たしい判決でありますが、我々はこれに決してくじけることなく、これからも進んでいくんだと全員で確認していきたいと思います」
一方、判決には、三浦守裁判長による反対意見がつきました。この中で、三浦裁判長は、2017年に自主避難者への住宅提供を打ち切るなどした国や県の判断について、「社会通念上著しく妥当性を欠くものと認められ、裁量権を逸脱し、濫用したというべき」としています。
県はこのほかにも、14世帯の避難者に同様の訴えを起こしていて、今回の判決は後続の裁判にも影響を与えるものとみられます。














