「預けた腕時計が戻ってこない」。高級腕時計のシェアリングサービス「トケマッチ」の元代表で、国外逃亡していた男がきょう、警視庁に逮捕されました。その被害額は28億円にのぼるとみられています。

ドバイに向け逃亡してからおよそ1年10か月。きょう、捜査が急展開しました。

記者
「福原容疑者がUAEから帰国しました。うつむきながら歩いています」

詐欺の疑いで逮捕されたのは、福原敬済容疑者(44)。高級腕時計シェアリングサービス「トケマッチ」を運営する会社の元代表です。

このサービスをめぐっては、預けた腕時計が戻ってこないなどのトラブルが相次いでいました。

きょう逮捕された「トケマッチ」運営会社の元代表・福原敬済容疑者。元従業員の中山大志容疑者(44)と共謀し、時計のオーナーから預かったロレックスあわせて15本、時価総額1800万円以上をだまし取った疑いがもたれています。

当時のHPより
「トケマッチならきっちり査定、しっかり補償。あなたも時計も借りる方もみんながお得」

トケマッチは高級腕時計を借りたい利用者が月額の使用料を支払うと、オーナーから預かった高級腕時計が借りられ、オーナーには毎月預託料が支払われる仕組みでした。しかし…

被害者
「思い出すだけでやっぱり腹が立ってきますね。(預けた腕時計は)40本以上、時価総額で6000万ぐらい」

この男性は、トケマッチと法人契約を結び、44本の高級腕時計を預けていましたが、ほとんど返却されていないといいます。

被害者
「やった犯人に関しては謝罪の気持ちなんてもちろんないと思うんで」

福原容疑者は預かった腕時計を無断で古物商などに売却するなどして多額の現金を手に入れていたとみられています。

こちらの男性は、妻にプロポーズした時に身につけていた“思い出の腕時計”を失いました。

被害者
「ロレックスのスポーツモデル。妻と初めて出会った時もその時計をつけていた。恐らく時計は返ってこないと思っている」

こうした事態に対応することなく、福原容疑者は去年1月、会社を突如解散し、国外へ逃亡。ドバイなどで逃亡生活を続けていました。

警視庁
「『トケマッチ』は事業を始めたころから、預かった腕時計の売却を目的としていたとみている」

警視庁によりますと、「トケマッチ」をめぐっては、およそ650人から被害届が出ていて、預けたまま戻ってこない腕時計はあわせて1700本、総額28億円以上にのぼるということです。

警視庁は「トケマッチ」の実態解明を進める方針です。