--鴫原佐智子さん「父ちゃん亡くなって2か月経って、気持ちも切り替えないとと思って。やろっかという気持ちになるね。」

愛する康浩さんと守ってきた川崎屋を守り続けるために、佐智子さんは店に立ち続けます。

--鴫原さん「この店を誰か継いでくれる人がいたらなぁと思う。その人が来るまで頑張らないといけない。それが私の最後の仕事かなって。」

④伝統は革新(糸井火工/須賀川市)

夜空を彩る夏の風物詩、釈迦堂川の花火。製造を手掛けるのは、須賀川市で創業150年以上の「糸井火工」です。

会社を支えるのは六代目である糸井秀一さん。

--糸井秀一さん(六代目)「伝統を守るということは革新を続けるということ。先人もその時代に合った革新を続けてきたからこそ、花火という仕事が残っていると思うので。」

8月23日、釈迦堂川花火大会。花火師たちは朝早くから準備に取り掛かります。

午後6時40分、花火大会が始まります。音楽に合わせて次々と打ちあがる大輪の花。圧巻です。

--糸井秀一さん(六代目)「花火は自然体で見てもらえば、花火から受けたい印象を受けることができる。本当の花火の強みだというのはよく話しています。」

糸井火工はこれからも福島の夜を彩り続けます。

⑤原点から魅力を(yamasan 本店/南相馬市)

色鮮やかなフルーツが並ぶのは、創業78年を迎えた南相馬市の「yamasan」。三代目の谷田部真敏さん自ら、フルーツの仕入れを担当しています。

--谷田部真敏さん(三代目)「ずっとフルーツが一番の強み。原点に立ち返って魅力を発信していけるお店でありたいということで、フルーツ一本で!。」

そんなフルーツ専門店の強みを生かそうと誕生したのが、手作りのフルーツゼリー。およそ8種類のフルーツが入ったミックスゼリーや季節限定のゼリーなど、およそ10種類が並びます。

さらにyamasanには、より気軽にフルーツを楽しんでもらおうとジュースのお店も!

一番人気の完熟パインは熟成したパインを使用。しっかりとした甘さを楽しめるジュースです。

--谷田部さん(三代目)「県内外の人たちに東北ブランド、福島ブランドを発信できればいいなと思っています。」

⑥不易流行(内池醸造/福島市)

日本の食文化を支える醤油・みそ。調味料を通じて家庭の味を支え続けてきた会社が福島市にある「内池醸造」

1861年から醤油と味噌の醸造を始め、およそ160年にわたり伝統の味を守り続けています。

そんな会社が企業理念として掲げているのが「不易流行」。

--内池崇さん(十二代目)「歴史は誇りに思っても寄りかかれるものじゃない。チャレンジしていく姿勢を大事にしなくてはいけない。昔から続いている味をどうやって守っていくのか、守るだけじゃなく、醤油やみその新たな可能性を追求していく両建てが非常に重要なのかなと思っています。」

そんな会社を率いる十二代目の内池崇さん。社長に就任したのは2011年。

--内池さん(十二代目)「就任した矢先に東日本大震災だったので。完全復活までには1年くらいかかった。福島の食品会社ということもあってネガティブな環境にはあったが、やめようとは一切考えなかったです。震災をきっかけに社業を発展させていこうと決意が決まった瞬間だったのかもしれませんね。」

そんな内池さんが見据える未来は?

--内池さん(十二代目)「しょうゆ、みそを守る。そのために新しい味も作る。そういう企業活動を徹底していくことを一番大事にしたいと思っています。」

ニーズに応え続ける姿勢こそ、長年食卓に選ばれ続ける理由なのかもしれません。先人が長い時間をかけて培ってきた伝統と文化、老舗はこれからも伝統を守り、未来へとつないでいきます。

『ステップ』 
福島県内にて月~金曜日 夕方6時15分~放送中
(2025年12月25日放送回より)