過去最多の9人が立候補した静岡県伊東市長選挙は、元市議の新人で国民民主党県連が推薦した杉本憲也氏(43)が、元市長で自民党県連推薦の小野達也氏らを破り、初当選を果たしました。

半年間の混乱を経て、新市長が誕生した静岡県伊東市。「田久保劇場」とも呼ばれた異例の事態を市民はどう受け止めたのか、そして今後の市政への展望について、法政大学大学院の白鳥浩教授とともに考えます。

前市長は落選、市民「伊東市は半年間死んでいた」

市民
Q. この半年間の伊東市はどうでしたか?
「死んでましたよ。死んでいました」
<市民>
「とりあえず安心していますけど。この半年間何も進んでいないですからね。停滞しているだけで」
<市民>
「観光客のお客様たちがいらっしゃるお店で勤めていますので、(これまでは)ちょっと恥ずかしい気持ちがいっぱいでしたね。変わっていただくことを望みます。期待しています」

<法政大学大学院 白鳥浩教授>
Q. 混乱した半年間、改めて白鳥さんはどう総括されますか?
「伊東市民はこれは「非常に高い授業料を払った」と思うんです。しっかりとした首長を選ぶということが非常に重要なんだろうと思います。

これは必ずしも伊東だけではなくて、他のところでも起こるわけで。現実に今、南城市とか、これから前橋市の選挙もあるわけです。

当選された杉本さんには、今後、最年少リーダーとして市政のかじ取りに当たるわけですけれども、もちろん高齢者も非常に重要なんですが、それだけではなくて、自分の世代間、やはりその現役世代に向けた政策というものを気をつけながら進めていっていただきたいというふうに思います」

4000票あまりを獲得した田久保氏

<法政大学大学院 白鳥浩教授>
Q. そういった中で、田久保さんが現状も4000票あまりを獲得しているということに関してはどう捉えますか?
「田久保さんにも一定の支持があった。やはり"改革"というところで一定の期待というのはあったということは、この結果からも読み取れるところです」

この半年間の混乱は一体何をもたらし、我々は何の教訓を得たのか。「田久保劇場」に終止符は打たれたものの、その問いは有権者一人ひとりに投げかけられています。